こんにちはエンタメ考察室です。
柱とは鬼殺隊の中でも特に精神力・体術ともに強靭な隊士です。
そんな彼らも肉親を亡くしたり自分を否定されたりと辛い経験をし悩み苦しんでいました。
そんな柱たちは心の支えとなる人たちの存在や言葉を糧に奮起し戦い続けていましたよね。
煉獄杏寿郎の母・瑠火が煉獄さんに言った
という言葉は煉獄さんの行動指針として強く刻まれていましたよね。
今回は柱等の原動力ともいえる大切な人たちについて解説していきたいと思います。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.冨岡義勇
義勇の心の支えとなった人物は親友・錆兎と義勇の姉・蔦子ではないでしょうか。
義勇が身につけている特徴的な羽織は無地の方が姉の蔦子、亀甲柄の方は親友だった錆兎の形見をつなげて仕立てたものです。
亡き二人の思いを背負って生きていく気持ちの表れなのではないかと思います。
姉を亡くしてから天涯孤独だった義勇にとって親友と呼べるほど仲が良かった錆兎の存在は大きかったでしょう。
まるで兄弟ができたように思っていたのではないでしょうか。
錆兎と過ごしていたときの満面の笑顔を見ると錆兎といるのが心から楽しかったことが分かります。
姉の死に責任を感じ自分を責め続ける義勇を叱咤しその悲しみから立ち上がるきっかけを作ってくれた人物でもあります。
姉ではなく
と言った際、錆兎に頬をはたかれています。
と言われたことを思い出します。
炭治郎の言葉を聞くまでは忘れてしまっていたようですがこの言葉はずっと義勇の心の奥底に残り続けていたのではないでしょうか。
ずっとふさぎ込んでいた義勇がこの言葉を思い出してからは柱としての使命をそして命を炭治郎へつないでいくと覚悟が決まったように見えるます。
義勇の心の支えとなったであろうもう1人の人物は結婚前夜に鬼に殺された姉の蔦子です。
義勇をかばって亡くなったのでそのことがずっと義勇の心に罪悪感として残っていました。
両親が亡くなり唯一の肉親として支え合っていた姉は幼かった義勇にとって育ての親のような人物でもあるのではないでしょうか。
命がけで守ってくれた姉に対し自分のせいで死なせてしまった。
のだという罪悪感が強いように思います。
しかし同時に守ってくれたことに対する感謝もあったのではないでしょうか。
姉も錆兎もなくしてしまった後、配膳された食事をなぎ倒して臥せっている義勇の姿が回想されています。
普段は冷静な義勇からするととても珍しく二人の存在がいかに大切だったかがわかりますね。
2.胡蝶しのぶ
しのぶの心の支えとなっていたのは神崎アオイをはじめ蝶屋敷の妹たちももちろんそうだと思いますが一番はやはり姉のカナエではないかと思います。
カナエは花柱として活躍していました。
自分の両親を奪った鬼にさえ心からの情けをかけるほど優しい女性でした亡くなる前はしのぶと同様、薬学の知識を生かし鬼殺隊の剣士たちの治療も行っていました。
強く優しくそして人望もあるカナエはしのぶにとって尊敬するも目標だったのでしょう。
そしてそんな姉を殺した鬼を必ず倒すという固い決心が不利な体格ながら柱として厳しい戦いの場に身を置くしのぶの心の支えになっていたと思います。
しのぶのカナエへの想いがわかる場面としては炭治郎が機能回復訓練に苦戦する最中しのぶが現れ会話する場面があります。
炭治郎に内なる怒りを見透かされたしのぶは自分の過去と心情を吐露しています。
本当は鬼に対する怒りは抑えられないけれど姉の想いを継ぐために鬼を斬らなくて済む方法を考え続け姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やさないようにしていると言いました。
大好きだった姉の代わりになろうと感情を押し殺して努力していたのでしょう。
童磨戦では奮戦むなしく致命傷を負わされてしまいますが弱気になり諦めかけたしのぶの元にカナエが現れしのぶを励まします。
厳しくも温かい姉の言葉に奮起し捨て身の覚悟で童磨に自分の体ごと毒を吸収させ弱体化することに成功しました。
3.煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎は常に父や弟の千寿郎のことを気にかけていたと思いますが特に杏寿郎の心の炎の源となっていたのは幼い頃に母・瑠火に聞かされた言葉だったと思います。
瑠火は炎柱を代々排出する名門・煉獄家に嫁ぎ杏寿郎・千寿郎のふたりの子をもうけました。
公式ファンブックによると煉獄家の妊婦は代々観篝という七日おきに二時間ずつ大きな篝火を見るという儀式を行っており一族の男児が全員炎に似た特徴的な色の髪をしているのはこの儀式の影響なのだそうです。
次男の千寿郎が幼い頃にはすでに病に侵されており闘病の末亡くなりました。
自分がもう永くないことを悟った瑠火は当時まだ少年だった杏寿郎を枕元に呼び寄せます。
子供の頃から剣才に優れていた杏寿郎に対し剣士としての心構えを説きました。
「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」
この言葉は杏寿郎の行動指針として強く刻まれていたのでしょう。
猗窩座との死闘の末、致命傷を負った杏寿郎が今はの際に瑠火が姿を現します。
と問い掛ける杏寿郎に
と笑いかけます。
評価を気にするようなこの問いかけは厳しい鍛錬や経験に裏打ちされた自信と誇りを持っていたであろう杏寿郎にしては珍しいと思います。
まるで母親の言いつけを守る少年のようですね。
いつも溌剌として責任感あふれる杏寿郎の心の中には母に剣士としての道を説かれた幼い頃の杏寿郎がいるのだと思います。
きっと杏寿郎にとって瑠火は父・槇寿郎と同じくらい柱として奮闘する自分を認めてもらいたかった相手だったのでしょう。
最期の最期で少年の頃の杏寿郎が顔を出したのではないかと思います。
そして母に認められ嬉しそうな笑顔を浮かべていました。
その少年に戻ったかのような笑顔は幼い頃から瑠火が心の支えになっていた証拠ではないかと思います。
4.宇髄天元
厳しい忍びの家系に生まれた宇髄は試練と称して兄弟同士で殺し合いをさせられた壮絶な過去があります。
兄弟を手にかけた自分を責める宇髄の心に寄り添い励みとなっていたのが3人の妻です。
雛鶴・須磨・まきをの3人はくノ一の家系に生まれ宇髄家とも関わりが深かったようです。
雛鶴は宇髄家の次に序列が高い家の娘で3人の中でも戦闘力や判断力のバランスが良くまとめ役のようになっています。
須磨は一番年下で本当は須磨の妹が嫁候補だったそうですが自分が行きたいと大暴れし宇髄家に嫁ぎました。
まきをは身体能力はとても高いもののやや短気なところが忍びとしては玉に瑕だったようです。
このように三者三様の宇髄の妻たちはそれぞれ得意なことを活かしつつ宇髄の任務の手伝いをしていました。
遊郭編では潜入捜査を任され信頼されているのが伝わってきますね。
また自分の過去の行いや生まれた血筋に不快感を持ち自分を責める薄いのことをそれぞれの妻なりの表現で慰め叱咤していたようです。
公式ファンブックによると兄弟での殺し合いから逃げ出した後の宇髄は。
が口癖だったようです。
しかし雛鶴に泣かれ、須磨に噛みつかれ、まきをに怒られてからは言わなくなったようです。
遊郭編の回想で宇髄は自分の優先順位をはっきり決めていると明かしました。
その際自分の命よりも一番に妻たちの命が大事と告げています。
3人とも家柄などで選ばれた家同士の政略結婚の可能性が高いですが共に行動するうちにお互いを思う気持ちが本物の絆に変わっていったのではないでしょうか。
5.時任無一郎
鬼の襲撃を受けてから記憶障害を患い表情や感情表現がともしかった無一郎ですが大切な双子の兄・有一郎の存在を思い出してからは少しずつ変化していきましたよね。
特に炭治郎の前では心を開き笑顔を見せることもありました。
有一郎は無一郎の双子の兄で顔は瓜二つながら性格は正反対だったようです。
両親を亡くす前の幼い頃は有一郎が泣き虫の無一郎の手を取ったり仲の良い兄弟でした両親が亡くなってからは喧嘩が絶えず有一郎の辛辣な言葉や不機嫌な態度に無一郎が泣いたり悲しんだりしていることが多いです。
しかしそれは両親を亡くし自分が弟を守らなければという責任感ゆえの態度でした。
登場した当初は表情に乏しく辛辣なことを言う印象が強かった無一郎ですがそれは兄・有一郎の生前の姿によく似ていました。
記憶を無くしていた頃の自分が兄に似ていたことは兄が自分を守ってくれていたようで嬉しかったそうです。
両親を亡くしてからのふたりは衝突ばかりする日々でした。
そんな中、鬼に襲われ瀕死の重傷を負った有一郎の口から初めて本心が明かされました。
自分が無一郎の可能性を潰したが本当は無一郎は誰かのために無限の力を出せる選ばれた人間だと言い残し死亡してしまいます。
このことを思い出してからの無一郎は一時は諦めかけた戦いも力を振り絞って復活し里の少年たち家を守り抜きました。
無一郎は最終決戦で命を落としてしまいますが死後の世界で有一郎に再会します。
有一郎は無一郎の死を悲しみ
「無駄死にだ」
と怒っていました。
そんな兄に無一郎は
「無駄死になんて言わないで」
「兄さんだけはそんな風に言わないでよ」
と発言しています。
兄に認められたくて頑張っていた褒めて欲しかったという幼い頃そのままの気持ちがずっと残っていたことが分かる場面です。
6.甘露寺蜜璃
常に明るく誰にでも屈託なく話す甘露寺は一見悩みとは無縁のように見えます。
しかし鬼殺隊に入る前は派手な見た目や旺盛な食欲人並み外れた筋力を必死で隠し自分を偽って苦しんでいました。
そんな甘露寺を丸ごと受け止め優しく見守っていたのが蛇柱の伊黒です。
人当たりが良く明るい甘露寺は他の柱とも比較的打ち解けていたようですが中でも特に親切にしてくれる蛇柱の伊黒のことが好きでした。
初めてお館様の屋敷で知り合った日からとても打ち解けて話していたようです。
その後も文通や食事などを通して仲良くなっていきました。
かつて貶された自分の個性を丸ごと肯定したくさん褒めてくれる伊黒は甘露寺にとって特別な存在だったと思います。
「私のこと好きになってくれる人はいないの?」
というかつての心の叫びへの答えが鬼殺隊であり伊黒だったということでしょう。
最終決戦ではい黒とペアで行動し無惨との戦いにも最後まで力を尽くしました。
ふたりとも重傷でもう助からないと分かった後でお互いに素直な気持ちを打ち明ける場面があります。
食べることが大好きな彼女ですが
と言っています。
優しく自分を見守ってくれるい黒のそばにいることで自分は自分のままでいていいんだと安心していたのかもしれません。
戦いであまり役に立たなかったと落ち込む甘露寺に伊黒は
と感謝します。
そんな伊黒に生まれ変わったら。
と告白し寄り添いながら安らかに旅立っていきました。
7.伊黒小芭内
伊黒は鬼に支配された一族の出身で鬼に生贄を献上する見返りに裕福な暮らしをする家族やそんな家系に生まれた自分の出自を呪っていました。
忌み嫌っている一族が女系だったために女性全般が苦手でしたがそんな伊黒が唯一心を許していたのが甘露寺でした。
公式ファンブックのワニ先生の解説によると甘露寺のことは初めて会った時からの一目惚れだったそうでかわいすぎて度肝を抜かれたそうです。
お館様のお屋敷で道に迷っていた甘露寺は伊黒が助けてくれたと思っていたようですが伊黒は逆だと言っています。
あまりにも普通の明るい女の子である甘露寺に自分が救われたと回想していました。
甘露寺と話しているととても楽しく暗い過去を一瞬忘れ普通の青年になれたようで幸せだったと言います。
これが伊黒の言う甘露寺が天然で行なっていた「心の救済」なのでしょう。
「大正コソコソ噂話」によると甘露寺は初めて会った時からよく喋り伊黒は初対面にも関わらず甘露寺家の家族構成や飼い猫の性格まで把握できたそうです。
そんな甘露寺の明るさや素直さを伊黒は自分が生まれてから見た何よりも美しいと感じました。
そのため炭治郎をはじめ後輩たちに対して厳しい伊黒ですが甘露寺に対してはかなり甘々で靴下をプレゼントしたり文通したりしています。
しかし自分の生い立ちへの後ろめたさからはっきりと気持ちを伝えることはできなかったようです。
最終決戦のあと、ようやく伝えることができました。
甘露寺の優しさや明るさにどれほど救われたかを語っています。
伊黒が作中で笑顔を見せたり涙を流すのは甘露寺の前だけでした。
涙ながらに来世で幸せにすることを誓い寄り添いながら最期を迎えました。
8.悲鳴嶼行冥
鬼殺隊に入る前の悲鳴嶼はお寺で身寄りのない子供たちを育てながら暮らしていました。
彼らを守れなかったことや生き残った沙代のことはずっと心の中に残り続けていたようです。
悲鳴嶼が寺で育てていた子供たちは皆仲が良くつつましく暮らしていました。
鬼に襲われたときは子供たちのほとんどが悲鳴嶼の言うことを聞かず外に飛び出していったため悲鳴嶼は盲目の自分が頼りなかったのだと思っていました。
しかし実はそうではなくとを呼びに行ったり武器を取りに行こうと子供なりに悲鳴嶼秘め島の手助けをしようとしていたことが明かされました。
悲鳴嶼の場合彼らのことは心の支えというより
という後悔や心のしこりとして残ってしまっている側面が強かったと思います。
とりわけ必死で守った一番幼い沙代が言葉の拙さゆえに誤解を生み悲鳴嶼が殺人の罪で投獄されるきっかけになってしまったことも心の傷になっていたのでしょう。
成長した沙代はこのことをずっと気にしていて謝りたいと思っていることが大正コソコソ話で明かされています。
最終決戦では鬼殺隊最強だった悲鳴嶼も致命傷を負わされてしまいます。
もう助からないとわかったその時子供たちの霊魂が悲鳴嶼を迎えに来たかのような描写があります。
全員口々に悲鳴嶼にあの日のことを説明します。
本当は目の見えない悲鳴嶼をみんなで守ろうとしたことみんな悲鳴嶼のことが大好きでずっと待っていたことが明かされます。
誤解が解け心に引っかかっていたことが無くなった後の悲鳴嶼の表情がとても穏やかでしたよね。
9.不死川実弥
不死川実弥は元々兄弟が多く、ろくでなしの父親の代わりに長男として家族を支えていました。
中でも唯一生き残った弟の玄弥や鬼殺隊に入るきっかけとなった親友・粂野匡近の存在は大きかったのではないでしょうか。
鬼からただ一人助けることができた玄弥には平穏な人生を歩んでほしいと思っていました。
他の家族にしてあげられなかった分、玄弥には幸せに長生きしてほしかったのでしょう。
しかし玄弥は兄の後を追って鬼殺隊に入ります。
そのことを実弥はとても怒り玄弥に対し突き放すような態度を取り続けていました。
しかしその本心は離れた場所にいても常に弟のことを気にかけていたと思います。
玄弥は母を手にかけた兄にひどいことを言った時にしていましたが実弥にとってはそんなことは全く気にすることではなかったでしょう。
公式ファンブックによると実弥は
と紹介されています。
この童話に登場する青鬼は友人・赤鬼のために自分が悪者になり姿を消しました。
確かに大切な人を守るためなら自分は悪者になっても一向に構わないという実弥にそっくりですよね。
そんな実弥ですから玄弥には自分に謝ることなんかしなくていいから鬼から無縁な人生を歩み平穏な家庭を築いてほしいと思っていたのでしょう。
自分はそばにいられなくても陰ながら玄弥を守ることに使命を感じ心の支えになっていたのだと思います。
玄弥が死亡した後の嘆きぶりはこれまで非情ともいえる態度を取っていた分、余計にその悲しさと絶望感が際立ってました。
そしてもう1人の人物・粂野匡近は自分の体を傷つけながら滅茶苦茶な戦い方をしていた実弥に鬼殺隊の存在や育てを紹介してくれた恩人でかつ兄弟のように仲良くしていた隊士です。
穏やかな笑顔を浮かべていて強面の実弥に物怖じせず接しているところ危なっかしい実弥を放っておけないお人好しなところはどこか炭治郎と似たタイプのように見えます。
実弥と共にした任務で当時の下弦の壱との戦いで死亡しました。
実弥は自分が生き延びたのは稀血で鬼を酔わせて殺すことができる体質や運が良かったことそして粂野匡近が育てを紹介してくれたおかげだと思っていました。
小説・風の道しるべでは家族を失い半ば自暴自気になっていた実弥にちゃんとした戦い方を教えたり食事に誘ったり何かと気にかけていました。
実弥は最初は鬱陶しかった匡近の笑顔に何度も救われ彼がいてくれたからこれまで頑張ってこれたと語っています。
亡くなった後も墓参りを欠かさないほど常に兄弟子の存在が心にあるのでしょう。
柱になって最初に参加した柱合会議でも匡近の遺言を目にし涙を浮かべていました。
まとめ
戦いや稽古ではとても頼もしく強い柱たちですが最初からそうだったわけではありません。
伊黒や悲鳴嶼、義勇はもともと線が細く剣士になる前はそれほど強くはありませんでした。
炭治郎たちのように己の弱さに悩んだり傷ついたりしながら鍛錬し人のために戦い続ける中で誰もが憧れるような強さを手に入れたのでしょう。
最初から完璧な人間ではなくそれぞれ藻掻きながら成長していく姿が読者の共感や感動を呼ぶのかも知れませんね。
これまで以上に柱が好きになった!
瑠火や粂野匡近など柱の心の支えになった人物が大好き!
と思った人はまた次の記事でお会いしましょう。
今回は以上です。
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