こんにちはエンタメ考察室です。
鬼の中でも最強の集団であり炭治郎や柱たちと激闘を繰り広げた相手といえば上弦の鬼ですよね。
まさに人類の敵と言える上弦ですが実は凄惨な過去を持っていたり人間時代の記憶や経験が鬼になってからも強く影響していたりと鬼殺隊に負けずとも劣らない人間臭さが魅力の一つと言えます。
今回はそんな上弦の鬼の最後について解説していきたいと思います。
また上弦の鬼は自分にないものを持っている人間によって倒されているのではということも考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。
なお上弦で唯一無惨によって殺された鳴女については今回は割愛させていただきました。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.上弦の壱・黒死牟
黒死牟は6つの目が特徴的な鬼で無惨によって初めて生み出された上弦の鬼だとされています。
人間時代の名は継国縁壱といい「日の呼吸」を生み出した始まりの剣士継国より市の双子の兄にあたります自身も元鬼ヶがりだった過去を持ち独自の呼吸である月の呼吸は分かっているだけでも16もの方が存在しています。
黒死牟は岩柱・悲鳴嶼行冥、風柱・不死川実弥、霞柱・時透無一郎そして不死川玄弥の4名との戦いで死亡しました。
限界を超えた戦いの中、頸を斬られる事態にまで追い詰められた黒死牟ですが死の間際に進化し頸の弱点を克服します半ば無敵の存在となった黒死牟ですが刀に移った自身の醜い姿を見たことで衝撃を受けます。
という夢を思い出した黒死牟はこれが本当に俺の望みだったのかと愕然としました。
本当の望みを思い出した黒死牟は縁壱を思いながら消滅しその後には幼い頃縁壱に渡した木の笛が残っていました。
黒死牟と戦った柱には同じ双子である無一郎同じ兄弟関係にある不死川兄弟そして6つの目がある黒死牟とは逆に盲目の悲鳴嶼さんがいますよね。
黒死牟は天性の才能を持つに嫉妬し力を追い求めるあまり鬼となり最終的には刀を交えています。
自身の血を引き同じ双子である無一郎が刃を向けてくる様は嫌でもかつての縁壱を思い出させたのではないでしょうか。
無一郎もまた縁壱ほどではないにしろ天才と呼べる人物ですよね。
黒死牟が
あの方に鬼として使っていただこう」
と言って無一郎を殺さずに仲間に引き入れようとしていたのも継国縁壱と重なる無一郎を鬼に落とすことで間接的に縁壱を自分と同じ土俵に引き入れようとしていたのかもしれませんね。
また互いの身を案じ合う不死川兄弟の姿も黒死牟の目には不愉快に映ったのではないでしょうか。
黒死牟も元々は双子の弟というだけで虐げられる縁壱を気にかけ優しく接していました。
しかし縁壱に自分以上の才能があることを知ったことで人生の歯車が狂っていきます。
弟を真っ当に愛せなかった黒死牟にとって互いのために自らを犠牲にする不死川兄弟はとても眩しく見えたのではないでしょうか。
そして悲鳴嶼さんは盲目である代わりに物事の本質を見抜く力があります。
悲鳴嶼さんは陣地を超えた黒死牟の動きにこの見えぬ目は本質を見抜く目決して惑わされないと言って観察し透き通る世界に入っています。
このことからたとえ視力がなくても悲鳴嶼さんには物事の本質や本当に大切なものを見る力があったと考えられます。
一方黒死牟には目が6つもあります。
これは継国縁壱の動きを捉えるためや縁壱と同じ透き通る世界を見るためと言った理由が考えられますよね。
確かに黒死牟は透き通る世界を見ることができますが実際のところ透き通る世界と目の数は関係ありません。
これは盲目の悲鳴嶼さんが透き通る世界を習得していることからもわかりますよね。
つまり最後まで諦めずに本質を見極められた悲鳴嶼さんと目先の強さやわかりやすさに騙され本質を見極められなかった黒死牟の対比となっているように整えます。
本質を見極められていないという点では黒死牟は死の間際まで縁壱に対する本当の思いに気づくことができませんでしたよね。
一見すると縁壱に嫉妬し縁壱を超えるために自らを鍛え続けてきたように思える黒死牟ですが実際は縁壱に憧れ縁壱になりたいと感じていました。
黒死牟は死の間際に醜い化け物になっても強くなりたかったのかと自身の強さへの執着に対して自問自答します。
そして私はただより1お前になりたかったのだと縁壱の強さや人柄に惹かれていた事実を認めました。
もし黒死牟がもっと早く自身の本当の気持ちを認めることができていたら黒死牟と縁壱が辿る結末も変わっていたのかもしれませんね。
2.上弦の弐・童磨
童磨は白詰草色の頭髪と虹色の瞳が特徴的な鬼です。
鬼でありながら万世極楽教という宗教の教祖をしており救済するという名目で信者たちを喰らっていました。
人間時代から感情を持ち合わせておらず母親が色狂いの父親を殺害しその後服毒自殺をした時ですら悲しさや寂しさを感じませんでした。
それどころか部屋に充満する家の臭いを解消するために換気をしなくてはいけないと考えていたようです。
手にした扇で氷を生み出す血鬼術を使い多彩な攻撃を放つことができます。
童磨は蟲柱・胡蝶しのぶ、栗花落カナヲ、嘴平伊之助の3名によって討伐されました。
はじめに童磨と戦ったのはしのぶでした。
姉・カナエの敵である童磨との戦いに決死の覚悟で挑むしのぶでしたが毒が次々に分解されてしまい劣勢に立たされます。
そして最後の力を振り絞って放った技も致命傷とはならず、しのぶは駆けつけたカナヲの目の前で童磨の体に吸収されてしまいます。
その後参戦した伊之助と共に童磨に挑んだカナヲですが善戦するも童磨にダメージを与えることすら難しい状況が続きました。
しかしその時童磨の肉体が突如として融解し始めます。
実はしのぶは姉の敵討ちのために自らの肉体を毒に変えていました。
致死量の七百倍にも及ぶ藤の花の毒を吸収した童磨の体は骨から溶け出します。
歩くことすらままならず逃亡を試みる童磨でしたが伊之助が放った思いつきの投げ先そしてカナヲの終ノ型・彼岸朱眼によって頸を斬られて死亡しました。
童磨は感情がないと言われていますが作中では何度か感情の機微とも取れる言動が見られています。
例えば感情がないことをカナヲに指摘された際にはそれまでの貼り付けたような笑みから一変して真顔になり深いとも取れる感情をあらわにしていましたよね。
カナヲは作中で唯一童磨を怒らせた人物と言えるでしょう。
童磨は上弦会議で猗窩座に顔面を吹き飛ばされても笑っていました。
そんな童磨が明らかに不機嫌そうな表情をしているあたりカナヲに指摘されたことが図星でありよほど気に入らなかったのでしょうね。
カナヲは童磨と同じく幼少期の出来事が原因で感情を失いかけていました。
しかし胡蝶姉妹や仲間たちとの出会いを通じて感情を取り戻しています。
そういった意味でもカナヲは童磨が手に入れられなかった感情を手に入れ理解している存在と言えるでしょう。
これは見方を変えれば童磨が感情のない自分に劣等感を抱いていたように見えます。
そんな童磨にとって感情のままに生きる伊之助は眩しくも目障りな存在だったのではないでしょうか。
イノシシの被り物のせいで表情が読み取りにくい伊之助ですが実は意外と感情豊かな人物と言えます。
煉獄さんが亡くなった時や炭治郎が鬼化した時など仲間を思って大粒の涙をこぼす姿がありましたよね。
感情を理解できず演じながら生きてきた童磨にとって自らの感情に正直に生きる伊之助は対極に位置する存在なのかもしれません。
童磨は感情に振り回される人間を見下すような態度をとっていましたよね。
しかしここまで解説してきたように童磨は自分に感情がないことを気にしていた可能性があります。
カナヲに頸を斬られた後童磨は死後の世界で再会したしのぶに恋をしました。
童磨は
こんな感覚がもしかしたら天国や地獄もあるのかな」
と恍惚とした表情で語っています。
この様子から童磨が人の感情に憧れており本心ではずっと追い求めていたと考えられます。
こうした点からしのぶは童磨がずっと追い求めていた感情を自覚させた存在と言えるのではないでしょうか。
死んでようやく追い求めていた感情を手に入れているあたり空気の読めない童磨らしいですよね。
3.上弦の参・猗窩座
猗窩座桃色の頭髪が特徴的な鬼で肉弾戦を得意とし上弦の鬼の中で最も武闘派と言えます。
無限列車編では炎柱・煉獄杏寿郎と戦い、無限城では炭治郎と水柱・冨岡義勇と戦いました。
弱者が嫌いと何度も発言しており異常なまでに強さへのこだわりを持っています。
相手の陶器を感知し多方面からの攻撃に瞬時に対応することが可能です。
猗窩座は炭治郎と冨岡義勇との戦いで死亡しました。
圧倒的な力を持つ猗窩座に苦戦を強いられる炭治郎と義勇でしたが炭治郎は透き通る世界を理由は痣を発言しついに猗窩座の頸を斬ることに成功します。
しかし強さへの執着から猗窩座は頸を失っても戦い続けます。
力を使い果たして失神した炭治郎を庇う理由の姿をきっかけに猗窩座は人間時代の記憶を取り戻していきます。
記憶を辿るたびの中どこか炭治郎に似たかつての死刑造の教えを思い出した猗窩座は本当に倒したかった相手が自分自身であることを悟りました。
そしてそれを思い出させてくれた炭治郎に感謝の笑みを向け自ら体の再生を止めて死を選びました。
作中で何度も弱者が嫌いと語っていた猗窩座ですがその理由は人間時代の恋人である恋雪や系像を毒殺された経験があるからです。
恋雪たちを殺した犯人は実力で猗窩座にかなわないが故に毒を盛りました。
これは言い換えれば弱者がゆえに卑劣な手口を取ったということですよね。
またそんな卑怯者から大切な人を守れずそれどころか守るために教わった拳を復讐の道具として使った自分自身の心を猗窩座は何よりも弱いと感じていたようです。
これは弱い奴が嫌いだ弱い奴は辛抱が足りないすぐ自暴自棄になる守る拳で人を殺したという猗窩座の独白からもわかりますよね。
そんな猗窩座にとって素直で誠実な炭治郎は不快な存在だったのではないでしょうか。
猗窩座は自身の記憶を取り戻す中で映像と炭治郎を重ねてみている節がありました。
素直でまっすぐな形状と炭治郎を似ていると感じておりそんな炭治郎に殴られた時にはかつて道を誤った自分を正してくれた系の拳を思い出しています。
つまり猗窩座にとって炭治郎は強いものであり猗窩座が本当になりたかったものでもあるのではないでしょうか。
自分を弱者だと思っていた猗窩座にとって炭治郎の存在は眩しくもありにくくもあったのだと思います。
義勇は口数が少なくあまり感情を表に出しませんよね。
人間時代の猗窩座は鬼ごと呼ばれるほど威勢のいい青年でした。
また猗窩座は俺は誰よりも強くなって一生あなたを守りますという粉雪との約束を守れなかった自分を責め口先ばかりで何一つ成し遂げられなかったと感じていますもちろん猗窩座本人がそう思っているだけで濃ゆきたちの死は猗窩座のせいではありません一方理由は口数こそ少ないです。
が炭治郎と禰豆子のために自身の命をかけていたり亡きとも錆びととの約束を最後まで守り抜こうと尽力したりとうちに秘めた誠実さがありますよね。
そういった意味では義勇もまた猗窩座にないものを持っていたと言えるのかもしれません強さを求めて鬼となった猗窩座ですが本当に望んでいたものは単純な強さだけではありませんでした。
大切な人との約束を守り通せる心の強さそして卑怯者から恋人を守れる強さ。
猗窩座はこれらを併せ持つ炭治郎と義勇に出会ったことで自分が本当になりたかったものを思い出すことができたのだと思います。
4.上弦の肆・半天狗
半天狗は小柄なおじいさんのような外見をした鬼で玉壺とともに刀鍛冶の里を襲撃しました。
上弦の鬼でありながらあらゆる物事に対して常に怯えた態度をとります。
喜怒哀楽を模した分裂体を生み出すことができ斬られるたびに分裂体が増えていくとても厄介な敵でしたよね。
半天狗は炭治郎、恋柱・甘露寺蜜璃たちと戦い最終的には炭治郎に頸を斬られました。
頸を斬るたび増えていく半天狗を倒すため炭治郎たちはどこかに隠れているはずの本体を探します。
ようやく見つけた本体はほどの大きさであり見つかるや否や一目散に逃げ出してしまいました。
分裂体を使って人々を襲い自分は身を隠して被害者ぶる半天狗の態度には炭治郎も
と激昂していましたよね。
逃亡を繰り返す半天狗でしたが執念で本体を追い詰めた炭治郎によって本体の頸を斬られて死亡しました。
そんな半天狗は人間時代から嘘ばかりついていました。
半天狗が見た走馬灯ではかつての半天狗が行った悪行の数々が描かれています。
盲目を装って盗みを行い盗みがバレればこの手が悪いと言い訳をし罪に問われれば口封じのために殺人すらとはなかったようです。
公式ファンブックでは半天狗は幼少期から自分の都合のいいように事実や解釈を捻じ曲げるゆがんだ思考の持ち主だったことが明かされています。
嘘をつくたびに名前や年齢生い立ちなどを変え続けた結果、半天狗自身にも本当の名前や年齢生い立ちがわからなくなってしまいました。
その癖、この世で自分よりかわいそうなものはいないと思っている神聖の自己中心的な性格と言えるでしょう。
そんな半天狗の対局に位置するのが炭治郎です。
正直者の炭治郎は嘘をつくことができません。
厳密には嘘をつくことが辛すぎて変顔になってしまいます。
また鬼に対して不意打ちをすることもできません。
鼓屋敷での戦いや無限城での猗窩座戦では明らかに不意打ちをした方が勝率が高い場面でも今からお前を斬ると宣言していましたよね。
そういった意味では半天狗と炭治郎の性格は対比関係にあると言えるでしょう。
また炭治郎以外の登場人物も半天狗と正反対な部分を持っています。
例えば甘露寺はお見合いが破談となった経験から大食いで力持ちな側面や独特な髪の色を隠していた経験がありましたよね。
おかげでお見合いはうまくいっていたようですが甘露寺の心の中には
という疑問がありました。
自らを偽る行為をやめ甘露寺は自分らしく生きるために鬼殺隊となりました半天狗も甘露寺も自分を偽っていたという点は同じです。
しかし嘘をつき続けた半天狗とは違い甘露寺は自分に正直に生きようと努力してきたのです。
玄弥は鬼殺隊としての才覚に恵まれませんでした。
玄弥が銃を使っているのも日輪刀の色が変わらないほど呼吸の才能がなかったからでしたよね。
しかし玄弥は決して諦めずどんな厳しい修行にも耐えてきました。
鬼を喰うというアキネサスを掲げる鬼殺隊としては邪道とも言える行為に踏み切ったのも
という一途な思いがゆえの行動でした。
自分を守るために嘘をつき続けあらゆる責任から逃げ続けてきた半天狗とは正反対のまっすぐな志の持ち主ですよね。
そして禰豆子は鬼でありながら人を喰わず人のために戦っています。
こうして見ると半天狗は自分にないものを持った者たちに討伐されたと言えるのかも知れませんね。
5.上弦の伍・玉壺
玉壺は両目が口になっている異形の鬼です。
作中では半天狗とともに刀鍛冶の里を襲撃し甚大な被害を与えました。
常に壺の中に入っており壺から壺へ自由に移動でき特殊な力を持つ燃料やタコといった水生生物を出現させ刺激することができます。
玉壺は霞柱・時透無一郎によって討伐されました。
半天狗とともに刀鍛冶の里を襲撃した玉壺は無一郎と対峙します。
玉壺は無一郎の隙をついて水獄鉢へと閉じ込め、先にある小屋へと足を踏み入れそこで一心不乱に刀を研ぐ鋼鐵塚さんに遭遇します。
鬼の自分にはわき目も振らずに刀を研ぎ続ける鋼鐵塚さんに圧倒された玉壺は気に
殺すのは造作も泣くことだがなんとかこの男に刀を放棄させたい
この集中切りたい」
と鋼鐵塚さんの意識を刀から自分に切り替えようと試みました。
しかし斬りつけられても片目をつぶされても意味介さず刀を研ぎ続ける鋼塚さんについに玉壺もまともではないとドン引きしていましたよね。
こうして時間を取られているうちに無一郎が水石から脱出し痣に覚醒します。
記憶を取り戻し戦う意味を見出した無一郎の「漆ノ型・朧」に翻弄された玉子は一撃のもとに頸を切られました。
玉壺の最大の敗因は鋼鐵塚さんに気を取られてしまったことではないでしょうか。
玉壺といえば生きた人間同士を融合させたものを作品と呼ぶなど独特な感性が特徴的ですよね。
作中では度々芸術を口にしており芸術家を気取っています。
こうした歓声は人間時代からすでに持ち合わせていたようで魚の死骸を収集したり自分をからかいに北村の子供を殺してツボに詰めたりといった気候が公式ファンブック2で明かされています。
方向性こそ違いますが同じ作り手として鋼鐵塚さんが見せた極限の集中力に惹かれるものがあったのでしょう。
実際玉壺は刀を研ぐ鋼鐵塚さんを見て
芸術家として負けている気がする」
と感じています。
玉壺が鋼鐵塚さんをあえて殺さずに刀を研ぐ邪魔をしたのも下手をすれば自分よりも芸術家として優れているかもしれない鋼鐵塚さんの存在を認めたくなかったからではないでしょうか。
もしくは独特の感性を持つ玉壺ですら一心不乱に刀を研ぐ鋼鐵塚さんの姿を美しいと感じてしまったのかもしれません。
もし玉壺が鋼塚さんをすぐに殺していたのなら無一郎が水獄鉢から脱出できるだけの猶予もなかったと考えられます。
自分以上の芸術家に出会ってしまったことが玉壺自身の命を刈り取る結果となったのではないでしょうか。
6.上弦の陸・妓夫太郎、堕姫
妓夫太郎と堕姫は遊郭編で登場した2人1組の鬼で実の兄妹でもあります。
妹の堕姫は遊郭でもトップクラスの花魁と言われるほどの美貌を持ち高飛車でわがままな性格をしているのに対し兄の妓夫太郎はボサボサの髪に痩せ細った体をしており陰険な性格をしています。
堕姫は帯を自在に操り妓夫太郎は毒が含まれた血でできた鎌を使っていました。
兄妹である妓夫太郎と堕姫はどちらか片方の頸を斬っただけでは消滅せずすぐに再生する特性を持っています。
炭治郎たちは二手に分かれて妓夫太郎たちと戦い最終的には善逸と伊之助が堕姫の頸を炭治郎が妓夫太郎の頸を飛ばして決着となりました。
死後の世界で再会した兄妹ですが妹が道を違えた原因が自分にあると考えていた妓夫太郎は駆け寄ってきた堕姫を突き放します。
しかし堕姫との会話から人間時代に交わした
という約束を思い出した妓夫太郎は妹を背負って共に地獄へ進んでいきました。
炭治郎が
と感じていたように妓夫太郎と堕姫は竈門兄妹にとってもしかしたらなっていたかもしれない存在だと言われています。
例えば妓夫太郎たちは貧困街に生まれ親の愛情を知らずに育ちましたよね。
一方竈門兄弟は幸せな家庭に生まれ深い愛情を受けて育っています。
生まれ育った環境が違うだけでもし立場が違っていれば炭治郎も鬼になっていたかもしれないのです。
妓夫太郎も自分たちと竈門兄妹を重ねている節があり炭治郎に対して
と言い
ボンクラ
ノロマのふぬけ役
立たず」
とかつての自分が言われた言葉を使って罵倒していましたよね。
同じ兄弟でありながら幸せを享受し仲間にも恵まれた竈門兄妹の存在は妓夫太郎にとっては腹立たしい存在だったのではないでしょうか。
堕姫も禰豆子も鬼となり兄に守られているという点は同じですよね。
しかし妓夫太郎にとって妹は守るべき存在であり実際、堕姫は困ったことがあるとすぐに泣き出して兄に助けを求めています。
一方、禰豆子は率先して兄の助けになろうと行動しています。
禰豆子自身も姉として弟たちの面倒を見ていたことも要因の一つではありますがどちらかといえば自分でできることは自分の力でやろうとするタイプに思えますよね。
こうした点から堕姫と禰豆子もまた似て非なるものとして描かれているのではないでしょうか。
ちなみに堕姫は不細工と呼び続けていた善逸と周囲から顔が良いと言われていた伊之助に頸を斬られています。
美醜にこだわる堕姫がある意味美醜の揃ったコンビに討伐されたのは皮肉が効いていますよね。
また炭治郎たちとともに戦った天元は忍びの家系に生まれ育っています。
天元といえば「派手を司る神」を自称するほどの派手好きですよね。
遊郭に潜んでいた妓夫太郎たちとは夜の世界に生きているという点が共通しています。
派手好きというのも花魁として花々しく振る舞っていた堕姫と重なりますよね。
自分たちと似ているにも関わらず妓夫太郎からしてみれば天元は何でも持っているように見えたようです。
実際に妓夫太郎は端正な顔立ちで嫁が3人もいる天元に対して何度も妬ましいと言っていました。
そういった意味では妓夫太郎たちは自分に似た境遇でありながら幸せを掴んだ人物に倒されたと言えるのかも知れませんね。
7.上弦の陸・獪岳
獪岳は餓鬼と妓夫太郎の後釜として十二鬼月となった新上弦の陸で異様なまでの自尊心の高さが特徴的な鬼です。
人間時代は善逸とともに元成の桑島のもとで雷の呼吸を学んだ兄弟弟子でした。
鬼でありながら雷の呼吸を使い斬撃を与えた相手の皮膚や肉をひび割れ続ける能力も持っています。
獪岳は我妻善逸によって討伐されました無限城での最終決戦で善逸と対峙した海外は師である桑島さんが自分のせいで腹を切ったことを意味も介さず罵詈雑言を浴びせました。
雷の呼吸の後継者に選ばれるほどの権利と決議術の合わせ技で善逸を追い詰める獪岳でしたが善逸が独自に編み出した技であるこの雷の神によって手首を切られます。
これまでずっと見下してきた善逸に敗北した事実を受け入れられない獪岳は死の間際まで不満を垂れ流していました。
そして消滅する寸前愈史郎に人に与えないものはいずれ人から何ももらえなくなると冷淡な言葉を突きつけられ絶望のまま死亡しました。
獪岳は人間時代から善逸を嫌っていました。
改革はもともとひたむきに努力を重ねる真面目な性格であり善逸からも尊敬されていました。
しかし善逸が心の中の幸せを入れる箱に穴が開いていると評したように獪岳は誰よりも自分が特別な扱いを受けないと満足できない性質でもありました。
単行本のおまけページでは桑島さんが2人を分け隔てなく大切にしていたことで獪岳が不満を募らせていった事実が明かされています。
獪岳にしてみれば自分が先に弟子入りしたにも関わらず不敵な弟子と同じ扱いを受けることが納得できなかったのでしょう。
むしろ善逸が特別扱いを受けていると感じていた可能性すらありますよね。
獪岳が桑島さんに送られた善逸と同じ柄の着物に袖を通さなかったのも自分は善逸とは違うというプライドゆえの犯行だったのかもしれません。
このように海外の行動原理はすべて自分にあります。
一方善逸は情けなく泣き叫んだり逃げ出したりといった姿こそありますが最終的には誰かのために行動できる心の強さを持っています。
例えば基本である1の方が使えない改革を他の大使がバカにした際相手が自分よりも上の階級だったにも関わらず善逸はその大使を殴りましたたとえ嫌われていようとも真面目で修行にひたむきな兄弟子は特別であり尊敬できる相手だったからです。
そんな善逸の行動に獪岳は
お前みたいなのがいるのは本当に恥だぜ」
と辛辣な言葉を向けています。
もちろん獪岳は善逸が誰のために拳を振るったのかを知らされていなかった可能性もあるかと思いますので一概に獪岳が悪いとは言えません。
ただ獪岳が少しでも善逸の人柄に目を向けていたらあの善逸が意味もなく人を殴るとは思えないと疑問にしていたはずですよね。
理由も聞かず恥だと切り捨てているあたり獪岳は本当に自分中心にしか物事をとらえられない性格だったと言えるでしょう。
獪岳と善逸は同じ孤児として桑島さんに引き取られています境遇こそ同じですが善逸は桑島さんや炭治郎を始めとする仲間たちの優しさを受けていくうちに次第に孤独から抜け出していきました。
獪岳と善逸の心境の変化は145話の扉絵を見てもよくわかります。
初めは自信なさそうに俯いている善逸が仲間を得たことで笑顔になっています一方海外はずっと一人で俯いていますよね。
桑島さんや善逸など海外にも優しさを向けてくれた人はいたはずです。
しかし幸せを入れる箱に穴が開いていた絵画は満足できませんでした。
もしかしたら善逸も孤独な時代は箱に穴が開いておりどこかでそのことに気づいたのかも知れません。
だからこそ善逸は絵画の箱の穴に気づくことができたのではないでしょうか。
自分に向けられた優しさに気づくことができたかどうかが二人の進む道を決めたのではないでしょうか。
まとめ
宿敵・無惨の配下として鬼殺隊の前に立ちはだかった上弦の鬼たち一見すると人の心を持たず冷酷に殺戮を繰り返す存在に見える彼らです。
ですが作中の言動や背景を掘り下げていくほど認められたい幸せになりたいといった人間らしい感情が垣間見られてきます
ね。
鬼として人々を襲った罪は消えませんが彼らの不幸な境遇を考えると複雑な思いを抱いてしまいますよね。
上弦の鬼はなんだか憎めない!
猗窩座の過去が悲しすぎる!
と思った人はまた次の記事でお会いしましょう。
今回は以上です。
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