鬼滅の刃

【鬼滅の刃】十二鬼月「上弦の鬼」を徹底考察!

『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 

質問者
上弦の鬼について教えてください。

 

こんにちはエンタメ考察室です。

上弦の鬼は無惨直属の精鋭の鬼であり末端の鬼にとって憧れや畏怖の対象でもある鬼です。

上弦の鬼の中には「青い彼岸花」の捜索をする者や無惨のように血を分け与えることを許されている者もいます。

今回はそんな上弦の鬼について解説したいと思います。

また公式ファンブックにしか載っていない情報も交えながら無惨から見た上弦の鬼の印象についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。

 
 
 

※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

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1.上弦の陸・妓夫太郎、堕姫

妓夫太郎と堕姫は二人同時に頸を斬らないと殺せないという条件がある兄妹の鬼です。

妹・堕姫の類まれな美貌を生かし遊郭の花魁として潜んでいますが堕姫が危機に陥ると兄の妓夫太郎が姿を現します。

堕姫も柱を7人喰うほど強いですが妓夫太郎はさらにそれを上回る強さです。

堕姫は柱の宇髄天元を相手にするとあっさりと頸を斬られるほど隙が多く堕姫が上弦であれたのは妓夫太郎の強さと判断力に助けられたところが大きいでしょう。

公式ファンブックによると無惨は妓夫太郎のことは境遇と貪欲な性格を評価しており、お気に入りで堕姫に対しては頭の悪い子供と思っていたそうです。

兄弟は遊郭の最下層の家庭で壮絶な幼少期を過ごしています。

特に妓夫太郎は虐げられながらも自分の力でのし上がった上昇志向が強い精神がありその点を評価していたと思われます。

妹と自分の持つ二人分の情報を処理し的確な判断を下せるなど頭も良く無惨は

「始めから妓夫太郎が一人で戦っていれば勝てていた」

と予想していました。

一方堕姫に関してはわざわざ直々に遊郭に現れ声をかけるなど一見お気に入りのように見えましたが実はそうでもなかったようです。

遊郭では

「お前は誰よりも美しい
特別な鬼だ
お前にしか頼めない」

など甘い言葉をたくさんかけていました。

しかしいざ兄妹が死亡したら

「案の定
堕姫が足手纏いだった」

と辛辣な言葉を浴びせています。

結局は妓夫太郎の実力を買っていたからこそ堕姫を生かしていたのであり適当におだててその気にさせておけばいいという子供扱いをしていたのでしょう。

他の鬼には見せないほどはっきりと甘やかしている描写がありますがこれも堕姫の性格を理解した上で懐柔するための戦略だったのでしょう。

その思惑通り堕姫は無惨をとても慕っていたようでした。

しかし恐らく無惨が手元に置いておきたかったのは堕姫ではなく妓夫太郎のほうでしょう。

妓夫太郎が離反しないよう彼が大切にしている堕姫のことも表面上は可愛がっていたのだと思われます。

無惨がこれほど心を砕くということはやはり妓夫太郎のことをかなり買っていた可能性が高いでしょう。

 

2.新上弦の陸・獪岳

獪岳は善逸の元兄弟子で雷の呼吸の使い手です。

師である元鳴柱・桑島からも実力を認められていましたが自分はもっと評価されるべきという不満が常に心に渦巻いていました。

獪岳は黒死牟の手により鬼になったことが作中で明かされています。

恐らく鬼殺隊の任務中に黒死牟と遭遇したのでしょう。

死ぬか命を助ける代わりに鬼になるかの選択を余儀なくされたのかも知れません。

そして妓夫太郎・堕姫の穴埋めとして上弦の陸となりました。

血を分け与えて鬼にしたのは黒死牟ですが上弦の数字を与えたのは無惨でしょう。

獪岳は実力のある雷の呼吸の使い手であり鬼になるには多くの血を与えられないとなりません。

その血に耐えられる素質を持っていたことと鬼となってからは大勢人を喰ったことで力をつけたのでしょう。

その点を評価されたことで数字を貰ったのかも知れません。

公式ファンブックによると無惨は強い鬼が欲しいため今まで上弦になれた鬼たちと類似した体質の人を選んで鬼にしていたそうです。

この時点で呼吸を使えるようには黒死牟のみだったので獪岳を上弦の鬼に据えることでゆくゆくは黒死牟のような強さが見込めると考えたのではないでしょうか。

 

3.上弦の伍・玉壺

玉壺は半天狗とともに刀鍛冶の里を襲撃した鬼です。

かなり独特の見た目で上弦たちが集められた会議では猗窩座に絡んで嫌味めいたことを言うなど陰湿な性格をしています。

無惨以外の生物を見下す言動が多く無一郎と戦った時は嫌味・毒舌の応酬になっていました。

玉壺は芸術家を自称をしており作った壺を他の鬼にも贈っており童磨は貰ったツボを自宅に飾っていると言っていました。

公式ファンブックによると壺が綺麗で高く売れるため無惨からは割とお気に入りとされているようです。

無惨は「青い彼岸花」の捜索のために資金を必要としていましたからその資金集めでも多少役に立っていたのでしょうか。

人間時代の名前は益魚儀まなぎで漁村育ちであったことが明かされました。

また自分をからかいに来た子供を殺しその子供の両親に報復として二又銛ふたまたもり滅多刺めったざしにされますが半日放置されても生きいたそうです。

この時通りかかった無惨に鬼にしてもらって以来無惨を崇拝しています。

表現たちの仕事ぶりが望む通りに進んでいないことに苛ついた無惨が玉壺の頭部をいで手のひらにのせていました。

「まだ確定していない情報を嬉々ききとして伝えようとするな」

と責められていますがこの時も玉壺のことを殺しはしていません。

さらに

「情報が確定したら半天狗と共に其処へ向かえ」

と猶予を与えつつ新たな任務を玉壺と半天狗に直々に命じています。

猗窩座と同様普段気に入っており今後の成果が見込める部下に対しては少々の事では切り捨てないのかも知れません。
 

4.上弦の肆・半天狗

半天狗は常に怯えたような態度で自分は弱いと主張するため一瞬油断しそうになりますが分裂すると強さが増していく鬼です。

分裂鬼にはそれぞれ異なる能力があり炭治郎たちを苦戦させていました。

多くの人間を犠牲にしているにも関わらず自分の業から逃げ続けたこと自分が被害者であるという他責思考の主張に炭治郎だけでなく玄弥も怒りを隠きれませんでした。

半天狗は人間の時から嘘つきで名前も年齢も生い立ちもその場その場で支え続け盗みや詐欺などの犯罪で何度も捕まっていたようです。

翌日に斬首刑となるという時に無惨に救われ鬼となりました。

なぜ無惨に目をつけられたのかは作中では明らかにされていません。

下弦の壱・魘夢のときのように無惨は気まぐれで人間を鬼にすることがあるようです。

しかし半天狗の持つ狡猾さや捕まっても犯罪を繰り返すいわば世間への反骨心のようなものに才覚ありと見出した可能性はあります。

公式ファンブックによると無惨からの評価は普通でたまにうざく感じることはあるものの許容範囲とのことです。

半天狗は無惨に対し殺されかけていたところを救ってもらって恩を感じているのか会議で責められた時は平身低頭で謝っていました。

すぐに悲鳴を上げたり怯えたりと騒がしいので無惨は多少イラっとすることがあったのかも知れませんね。

しかしただ怯えているだけで害はないと判断していたのではないでしょうか。

 

5.新上弦の肆・鳴女

鳴女は当初他の上弦たちとは別枠の側近として無惨に仕えていました。

そのため最終決戦まで戦闘する場面はありません。

空感操作の能力を生かした無限城の管理、部下の鬼たちの招集などを行ういわば裏方でしたが半天狗の死亡後に補充され上弦の肆となりました。

あまり多くを語らず淡々と仕事をする鬼のようで童磨に話しかけられてもそっけなくあしらっていました。

公式ファブックによると鳴女の能力が便利なので無惨のお気に入りだったようです。

城のような広い異空間を作り上げ琵琶を鳴らすだけで自在に空間を操る能力は確かに作中でも珍しい血鬼術ですよね。

相手に触れさせることなく物理的に遠くに追いやってしまうので柱の伊黒や甘露寺であってもなかなか近づくことができませんでした。

また鬼たちを人目に付かず一箇所に集めるというのは大変だと思うのでそういう意味でも便利だったのでしょう。

空間操作という点では鼓屋敷編で登場する響凱も似たような能力を使いますが鳴女はそれだけでなく探知探索の能力にも優れていました。

目玉の形をした分身を偵察に出し産屋敷邸の特定という形で貢献しています。

これには無惨を素晴らしいと褒めていました。

無惨がここまではっきりと褒めたのはこの時と半天狗との戦いの際、禰豆子が太陽を克服した時くらいではないでしょうか。

人間の頃は琵琶の演奏で生活していましたが人を殺した後の震える手で演奏する方が音色の評判が良かったために人を殺してから演奏するようになったそうです。

殺しの標的に無惨を選んだところ返り討ちに遭いましたがこの時からその根性を買われていたのかも知れないですね。

 

6.上弦の参・猗窩座

猗窩座は炭治郎たちが初めて遭遇した上弦の鬼で圧倒的な力の差を見せ付けました。

炭治郎たちが自分たちの弱さに打ちのめされもっと強くなりたいと心から願うようになるきっかけとなった鬼ではないでしょうか。

人間時代は素手で戦う武道流派・素流の使い手でした。

父親や恩師、婚約者という大切な存在をことごとく理不尽な形で亡くすという辛く悲しい過去があります。

血鬼術も武道の技に即しており術の名前には元婚約者・恋雪との思い出が随所に散りばめられています。

童磨が指摘するほどのお気に入りであまり積極的に人間を喰らわない女性を殺さないという行動が黙認されていました。

童磨とは対照的に猗窩座はあまり多くを喋らず命令には従順に従うために気に入られていたのだと思われます。

無惨に対する感情は無であり命令する者と従う者というそれだけの認識でした。

その無機質に淡々と従う姿勢は無惨にとっては都合が良かったのかも知れません。

空いた時間は鍛錬に費やしており強さへの貪欲さも評価されていたのではないでしょうか。

無惨と初めて出会った時は恩師と婚約者の敵を数十人素手で殺害した直後で人間であるにも関らず鬼が出たと騒ぎになるほどでした。

その騒ぎを聞きつけてやってきた無惨に

「特別強い鬼を12体程造ろうと思っているだ」

という言葉と共にお気にされています。

鬼になる前からかなり強かったのでこいつならは多くの血を分け与えても耐えられるのではという期待も高かったのではないでしょうか。

この場面から初代の十二鬼月で古参の部下であったことが分かります。

そのためか「青い彼岸花」の捜索など重要な任務にも関わっていました。

なかなか見つからないことに業を煮やした無惨にお仕置きをされていますが下弦の鬼たちのように殺されることはありませんでした。

猗窩座であればまだ挽回し役に立つ余地があると考えたのかも知れません。

また猗窩座は炭治郎たちとの戦いで頸の弱点を克服しています。

上位である童磨ですらこの弱点は克服できていませんので鬼の中でも貴重な存在なのではないでしょうか。

もっと強くなる可能性を秘めた猗窩座には相当期待があったと思います。

その証拠に猗窩座が敗北し死亡する間際に脳裏に無惨が現れ消滅しないよう引き留めています。

無惨の性格上役に立たないと判断すれば即、切り捨てるでしょう。

多少の任務の進みの悪さを見逃したり引き留めたりするということはやはり気に入られていたと言っていいでしょう。

 

7.上弦の弐・童磨

童磨は笑顔が多く話し方も快活で一見屈託のない好青年風の鬼です。

しかし実際は若い女性を喰らうことに執着しており柱を含め多くの犠牲者を出しています。

表向きは「万世極楽教」という宗教の教祖しており無惨をその万世極楽教の神に据えていることから無惨への崇拝の気持ちは強いようです。

あまり会話を好まない相手や緊張感が漂う会議中でも空気を読まずにペラペラと喋りかけるため他の上弦の鬼からも煙たがられていました。

公式ファンブックによると無惨からはあまり好かれてはいないようです。

童磨本人は20歳の時に無惨と出会って以降無惨に心酔しています。

無惨の怒りへのお詫びに嬉々として自分の目玉を差し出そうとしたり何も命じられていないのに玉壺の任務について行こうとしたり彼なりの忠誠を直訴していました。

さらに戦闘に関しても上弦の参・猗窩座よりも後から鬼になったにも関わらず彼を抜かして上弦の弐に成り上がるなど十分な実力を見せています。

しかし無惨からあまり任務は与えられていませんでした。

直訴する童磨をほぼ黙殺しています。

無惨は強い執着や渇望がない者は鬼として大きな進化をしないと考えておりその意味で童磨に対しては期待薄だったのではと思われます。

作中では童磨から無惨に話しかけることはあってもその逆の描写はあまりないように見受けられますよね。

相手の状況や気分にお構いなしで怒られてもあまりこたえない童磨は無惨にとってもあまり絡みたくない面倒な相手だったのかも知れません。

 

8.上弦の壱・黒死牟

黒死牟の人間時代は戦国時代の剣士・継国巌勝であり鬼殺隊の剣士でもあった人物です。

子供の頃から剣の才に優れていましたがそれをさらに上回る稀有な天才であり双子の弟でもある継国縁壱への羨望と嫉妬に苦しんでいました。

鬼となってからはもともとの優れた剣技に血鬼術が加わり何百年も揺らぐことなく上弦の壱としての地位を維持するほどの強さを持っていました。

公式ファンブックによると無惨からはビジネスパートナーと評価されています。

そのため他の鬼たちを部下として扱っている中で唯一、対等と言っていい認識を持たれていた鬼と言えるでしょう。

強さ・忠誠心・知性など総合力が高いため優秀な参謀として評価していたと思われます。

恐らく最初に呼吸を操る鬼となったのが黒死牟なのではないでしょうか。

その根拠として初めて無惨を追い詰めた天才・継国縁壱が無惨と対面した時無惨は

「呼吸を使う剣士にはもう興味がない」

と言ったと回想しています。

「もう興味がない」ということはすでに呼吸を操る剣士を鬼に引き込んだということでしょう。

そしてこの後兄が鬼になったとがで縁壱が鬼殺隊を追放されています。

つまり巌勝と出会い月の呼吸を操る鬼にしたところもう呼吸を使う鬼を追加する必要はなしと判断するほどその強さを気に入ったということではないでしょうか。

さらに精神面でも落ち着きと威厳があり他の上弦の鬼とも一線を画していたようです。

無惨は部下の鬼たちの思考の読み取りや位置の把握をすることで支配をしています。

その恐怖政治的な支配を恐れるようにも多いですが黒死牟は意に介していませんでした。

5公式ファンブック曰くその理由が

「感情を隠て取り繕わなくていいので楽」

というもので無惨を裏切る気が全くないからこその落ち着きであると言えるでしょう。

この忠誠心の高さも無惨にとっては点数が高かったと思われます。

また妓夫太郎と堕姫が死亡した後上弦の鬼が集められた会議において感情的になって暴れたり暴言を吐く猗窩座を一言で諌めて大人しくさせました。

上下関係や規律を重んじ実力も高くさらに理性と説得力をもって周りを諭すことができます。

個性の強い上弦の抑止力としても頼りにされていたのではないかと思います。

 

まとめ

上弦の鬼たちは戦闘での強さもさることながらその生い立ちや個性も多彩ですよね。

こうして振り返ると無惨は逆境に負けず世間への憎しみを糧に這い上がってやるという精神力がある者を評価する傾向にあるように見えます。

無惨がどのように思っていたのか本編や公式ファンブックを読み込んで色々と想像してみるのも楽しいですよね。

無惨から見た上弦の鬼の印象が面白すぎた!

と思った人はまた次の記事でお会いしましょう。

今回は以上です。

 

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