こんにちはエンタメ考察室です。
鬼殺隊最高位の剣士である柱の一人でピンク色の髪と可愛らしい見た目の恋柱・甘露寺蜜璃。
物語が進むにつれ彼女の強さの秘密や明るい人柄、蛇柱・伊黒小芭内との純愛などたくさんの魅力が明かされていきましたよね。
無惨戦で伊黒と甘露寺がお互いの気持ちを伝え合った場面に涙した人も多いのではないでしょうか。
今回は鬼殺隊の癒し担当ともいえる甘露寺蜜璃について解説したいと思います。
また煉獄杏寿郎外伝で描かれた甘露寺の過去や123話の扉絵に隠された伏線についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみ下さい。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.甘露寺蜜璃
甘露寺は鬼殺隊の中では珍しく家族がみんな健在で関係も良好という登場人物です。
「恋柱」の名の通りいろんな人に「キュン」とする性格で初登場時には強烈な個性を持つ柱たちに対しても全員に好意的な解釈をして「素敵」とときめいていました。
実家では両親や弟妹のほか猫を4匹飼っておりにぎやかな家庭で育ったことが想像できますよね。
そんな甘露寺の過程は実は軍人系の名家ではないかと考えられます。
甘露寺は養蜂していることが作中で明かされています。
史実でも実際に明治時代に大都会で養蜂を行い富を成した者がいたそうです。
さらに公式ファンブックでは出身地が東京府麻布区飯倉、現代で言うところの港区麻布台と紹介されていました。
古くは家族や高級官吏の邸宅軍の施設が複数ある場所だったそうです。
刀鍛冶の里編で炭治郎・禰豆子とともに投宿先の廊下を歩いている場面がありますね。
ここで甘露寺が口ずさんでいるのは「トンヤレ節」といい明治維新期の官軍の進軍歌です。
これらを踏まえると軍人系の名家である可能性があるのではないでしょうか。
相撲取り3人分よりもまだ食べるという旺盛な食欲を持つ甘露寺の食費を賄えるくらいの余裕のある家庭ではあったのでしょう。
裕福かつ仲の良い家庭でのびのび育ったのではないでしょうか。
そのせいか甘露寺はいつも明るく無邪気で朗らかですよね。
外見だけ見ると可愛い普通のお嬢さんという印象ではないでしょうか。
そんな甘露寺がなぜ鬼殺隊に入りさらに柱になるほどの実力を発揮することができたのでしょうか。
甘露寺は常人の8倍もの筋力と相撲取りも驚愕するほどの食欲を持つ特異体質です。
作中では1歳2か月の頃に15kgもの漬物石を持ち上げたという驚異の逸話が紹介されていました。
強靭かつしなやかな体は鬼殺隊の剣士としてはとても恵まれた体質ですよね。
実際に煉獄外伝では炎柱煉獄さんのもとで修行を開始してからたった半年で最終選別を突破しており早い段階からその才能を開花させていました。
一見順風満帆に見える甘露寺ですが入隊前は「ずっと女の子なのにこんな風でいいんだろうか」と自分の個性に自信を持てずにいました。
後述する過去にはお見合いの相手にひどいことを言われそれが心の傷になっており自分を偽って結婚話を受け入れようと無理をしていたり辛い経験をしています。
公式ファンブックによると鬼殺隊ではそんな自分を認めていくれる仲間ができとても嬉しかったようです。
そのため大切な仲間が次々に鬼に殺されていく毎日の中でいつも明るい甘露寺でも怒りと悲しみで体の震えが止まらない時もあったといいます。
上弦の肆・半天狗戦では
鬼殺隊わ私の大切な居場所なんだから」
と言っていました。
最終決戦では無惨の攻撃から身を挺して柱たちを庇う一般隊士に
と大声で訴えます。
大怪我をした自分を隠に預け戦線に戻っていく伊黒のことを泣きながら止めるなど様々なところで仲間への思い入れの強さが伝わってきますよね。
2.強さ
前述の通り甘露寺の一番の特徴は「捌倍娘」と呼称される筋肉の密度でしょう。
この体質のおかげで見た目では考えられないような力量を発揮しています。
大正コソコソ噂話で明かされた柱対抗・腕相撲の順位こそ真ん中より下の6位でしたが3位から6位までいい勝負だったことが記載されています。
男性に引けを取らない腕力があることは間違いないでしょう。
一説では甘露寺は「ミオスタチン関連筋肉肥大」ではないかという考察もされています。
ミオスタチン関連筋肉肥大とは筋肉が異常発達してしまう症状でミオスタチンとは筋肉が過剰に成長しないように働くタンパク質だそうです。
ところがこのミオスタチンが先天的に少ない体質で筋力増強訓練をしていなくても凄まじい速さで筋肉が育ってしまうのがこの症状の特徴です。
空腹に陥りやすいという特徴も甘露寺と合致しているように思えますね。
筋力を維持するためにたくさんの活動の元を取らなければいけないのでしょう。
「煉獄外伝」でも煉獄さんの激しい稽古に弱音を上げていましたがその理由は「稽古がきつい」からではなく
というものでした。
そんな煉獄家での鍛錬ののち最終選別も突破し炎の呼吸をもとに「恋の呼吸」という自分の資質にあった独自の技を磨いて行きました。
筋力のみならず
と煉獄さんからは評価はされています。
この呼吸は「胸がときめくままに心に正直に動く」事で変幻自在な動きを実現しているように見えます。
技命にも「恋」や「猫」など本人の好きなものが入っていますよね。
柱稽古でも甘露寺は音楽に合わせて踊るという課題を出していました。
心の動きと連動させることが重要な型なのではないでしょうか。
そのため胸の高鳴りやときめきを抑えてしまうと技の精度が落ちてしまうのです。
そこも心を燃やすことが重要だった炎の呼吸の派生らしい技ですよね。
「煉獄外伝」にてどのように修得したかが描かれていました。
師である煉獄さんが当時の下弦の弐と戦う中をにが仕掛けた爆弾の処理にも向かう甘露寺ですが当時はまだ習った呼吸を使いこなせておらず自信が持てずにいたようです。
途中で鬼に襲われますがうまく斬ることができず心の中で煉獄さんに助けを求めてしまいます。
しかしすぐそばで母子が襲われているのを見て体が勝手に反応したことをきっかけに鬼殺隊隊員としての覚悟が決まったのでしょう。
鬼殺隊に入ったことを思い出した甘露寺は体の柔らかさを存分に生かした自在な動きであっという間に敵を倒してしまいました。
と気づいたその時が恋の呼吸の誕生の瞬間でした。
上弦の肆・半天狗戦では血鬼術「狂圧鳴波」を間近で食らっても肉体の形を保っていました。
「狂圧鳴波」は怪音波を放ち体の内部から破壊する技で常人が受けると肉体が崩壊するといいます。
これには半天狗も驚愕していましたよね。
恐らくこの技を食らって崩壊しなかった人間は初めてだったのではないでしょうか。
さらに女性ならではの関節の柔らかさ可動域の広さも甘露寺の技の多彩さに繋がっているのでしょう。
まさに剛柔一体の理想を体現しており柱の中でも甘露寺しか成し得ない戦い方ができるのが強みと言えます。
一方で蛇柱・伊黒が指摘する通り論理的に考えて動くことが苦手な傾向があります。
刀鍛冶の里編にていち早く「痣」が出現した甘露寺は産屋敷家での会議にてあまねに「痣」が現れた時の状況説明を求められました。
張り切って説明するものの擬音ばかりで全く伝わらない内容に本人も恥じ入っていましたよね。
最終決戦でも勇み足であまり考えず突っ込んでいき相手の術中にはまっていました。
その時は一緒にいた伊黒がうまく支援していましたが一人での任務の時は危うい時もあったかも知れません。
他の柱が各々戦術を立てながら戦っているのに対し力技で押し切る戦い方が目立ちます。
愈史郎と協力し自分と伊黒が全員死んだように見せかけ無惨を騙そうという作戦の最中仲間の危機にじっとしていられず思わず飛び出してしまっていました。
状況判断や分析が苦手と思われる描写が多々ありその意味では他の柱と比べると見劣りしてしまう部分もあります。
しかしそんな「考えるより前に体が動く」習性が多くの人を助けてきたのも事実でしょう。
足りないところを自覚しそれを補う戦い方ができるところが柱たる所以なのかも知れません。
3.甘露寺の過去
甘露寺の見た目の大きな特徴として奇抜な髪の色が挙げられるでしょう。
これは生まれつきではなく後天的なもので原因はさくら餅の食べ過ぎだそうです。
公式ファンブックによると好物の桜餅を1日170個、8か月食べ続けたところ目と髪の色が変わったのだそうです。
ファンの間では可愛いと人気の理由の一つではありますがこの髪色がきっかけで心の傷を抱えることになるのでした。
甘露寺が17歳の時お見合い話が舞い込んできます。
その相手は甘露寺の見た目や体質をひどく気味悪がりました。
そのおかしな頭の色も子供に遺伝したらと思うとゾッとします」
暴言ともいえる強烈な言葉を残して去っていきました。
年頃の女性にとって自分の見た目や個性を否定される事は大きく心を抉られるでしょう。
甘露寺はこの出来事をきっかけに髪を無理やり黒く染め、力の弱いふりをしたり、空腹も我慢して
を演じるようになります。
もともと可憐で人柄も朗らかな甘露寺ですからそうするとすんなりと縁談が進むようになりました。
しかし甘露寺はそれを全く喜んでいませんでした。
と違和感が抑えられなくなります。
人の役に立てることあるんじゃないかな?
私のこと好きになってくれる人はいないの?」
この疑問は現代人の心にも響くのではないでしょうか。
当時はまだ現代のように個性が尊重される時代ではなかったと推察します。
とりわけ女性はまだまだか弱く儚いものという認識だったでしょう。
「行き遅れるのは恥」
という圧力の中で結婚をやめてありのままに生きることを決断できる甘露寺はかなり先進的な女性だったのではないでしょうか。
さらにそんな体質を授けた両親に対し恨むどころか
ありがとう」
と感謝できる心の持ち主です。
甘露寺はその後ありのままでいられる居場所そしてそのままの甘露寺の個性を何よりも尊び愛してくれる男性と鬼殺隊で出会うことになります。
4.伊黒小芭内との絆
伊黒と甘露寺が親しいことは刀鍛冶の里編で初めて示唆されました。
甘露寺が履いている長い縞々の靴下は伊黒からの贈り物であったことが明かされています。
その時点での伊黒の印象といえば柱合会議で炭治郎・禰豆子を
と厳しく糾弾しネチネチと責め立てていた姿が思い出されます。
その伊黒が甘露寺に対しては友好的なことを以外に思った方も多かったのではないでしょうか。
公式ファンブックによると甘露寺が露出の多い隊服を恥ずかしがっていたから贈り物を贈ったのだそうです。
さらに柱稽古では甘露寺と親しく話す炭治郎に露骨に嫉妬心を露わにしていましたよね。
さらに甘露寺と文通していることが判明します。
柱稽古の順番は甘露寺家の稽古の直後が伊黒家での稽古でした。
にもかかわらず炭治郎が伊黒の家に着いた時点で甘露寺家での稽古の様子を手紙で知っているということはかなりの頻度で文通していることが伺えますよね。
甘露寺もいろんな人にキュンキュンしつつ特別に優しくしてくれる伊黒のことが気になっていたようです。
公式ファンブックでは
「たくさん褒めてくれる」
「食べるの遅くてもニコニコして待っててくれる」
と伊黒の優しさに惹かれていたことが分かります。
告白しようと何度も思ったけれど
のだという思い込みからなかなか勇気が出せなかったことがワニ先生によって語られています。
また実際に伊黒が特別に優しいのは甘露寺に対してだけだったとも補足しています。
端から見るとなんともむずがゆい「両片思い」ですよね。
そんな二人はお館様の屋敷が初対面だったそうです。
その様子は大正コソコソ噂話や公式ファンブックで語られています。
伊黒は甘露寺が可愛すぎて度肝を抜かれ一目惚れしてしまったと言います。
それまでの伊黒は女性全般が苦手でした。
女系家族に生まれ唯一の男児であった伊黒は実家に巣食う蛇鬼への生贄として捧げるために育てられていたのです。
その食らい経験から女性を苦手に思うようになってしまったのでしょう。
そのため初対面で甘露寺が屈託なく話しかけてきたことに最初はかなり面食らったようです。
しかしすぐに甘露寺の明るさ素直さに心が奪われたと言います。
その時から伊黒にとって甘露寺はずっと特別な存在だったのでしょう。
お互いに不器用な二人はなかなか想いを伝えることができませんでした。
そもそも明日の命の保証すらない鬼殺隊に身を置いている状況では進展するのは難しかったでしょう。
最終決戦で死力を尽くして戦ったのち死を覚悟してからようやく素直な気持ちを打ち明けることがてきました。
来世で結ばれることを誓い合うこの場面は甘露寺の可愛らしさと伊黒の優しさがよく表現されていて涙を誘われます。
来世でなく現世で結ばれてほしかったという声が多いのも頷けるお似合いのふたりですよね。
二人の絆の深さは本編だけでなく扉絵などでもしっかり表現されています。
例えば188話の最後の場面が123話の扉絵ととても似通っていることにお気づきでしょうか。
188話にて伊黒の過去回想が終わります。
最後は鬼のいない世界で甘露寺と出会えていたらと希望を膨らませる場面です。
桜が舞う中、隊服ではなく着物に身を包んだ甘露寺がはじけるような笑顔を向けていますね。
一方123話の扉絵では同様に桜の中で着物姿の甘露寺が待ち合わせ相手を待っているかのような様子で立っています。
これはかつて甘露寺が焦がれた私のままの私を好きになってくれる人とようやく出会えたということを表現しているのではないでしょうか。
188話の笑顔は自分を隠さずにいられる運命の人に出会えたことの喜びが溢れているように見えます。
鬼滅の刃でよく物語に添えられる植物にも注目してみましょう。
桃色の花は恐らく桜で紫色の地面に入る花はアヤメ科の菖蒲・花菖蒲や杜若だと推測できます。
それぞれの花言葉は
アヤメ科の花々は「希望」「あなたを信じます」「幸せは必ず来る」
です。
ふたりの関係性を表しているような気がしますよね。
緊迫感ある戦闘場面が多い物語の中で甘露寺の登場場面に癒された方も多かったのではないでしょうか。
辛く暗い過去を持つ人物が多い中で明るく周りを照らす甘露寺の存在は貴重ですよね。
ただ可愛いだけでなく自分の個性と向き合いもがいてきた姿がたくさんの人の共感と支持を得たのではないでしょうか。
甘露寺と伊黒の愛情に感動した!
二人が死の間際に交わした「生まれ変わったらお嫁さんにする」という約束が叶って良かった!
と思った人はまた次の記事でお会いしましょう。
今回は以上です。
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