こんにちはエンタメ考察室です。
恋柱・甘露寺蜜璃と霞柱・時透無一郎の二人の柱の活躍が描かれる刀鍛冶の里編。
今回は刀鍛冶の里編に隠された伏線をまとめていきたいと思います。
また黒死牟戦で無一郎の左腕が切断された理由についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.黒曜石
炭治郎が爆血などを発言した時に見た記憶では竈門禰豆子がお侍さまの方が戦う時だけ赤くなるのねぇ。
普段は黒曜石のような漆黒なのねと語っていました。
ここで言う、お侍様とは始まりの剣士・継国縁壱のことですよね。
また縁壱が妻・うたと出会った時に抱いた印象も黒曜石のような瞳だと語られしていました。
縁壱に関係する2つの事柄で同じ黒曜石という表現が使われています。
作中で黒曜石という言葉が使われたのはこの2回だけであり、
ワニ先生が縁壱の刀とうたの瞳を同じ色に例えたのは何か意図があるのではなでしょうか。
普通に考えると黒刀の色を黒石に例えただけかもしれませんが、
見方を変えると縁壱にとっての日輪刀はなくなったうたを表しているとは考えられないでしょうか。
縁壱が日輪刀を手に入れたときつまり鬼殺隊に入隊したのはうたがなくなった後でした。
縁壱にとって自身の黒い刀は愛する妻を想起させる大切なものだったのかもしれません。
実際、縁壱は鬼殺隊を追い出された後も日輪刀を持ち続けています。
もちろん鬼を狩り続けるためという理由が大きいとは思いますが、
亡き妻の瞳と同じ色の刀を手放すことができなかったとも受け取れるのではないでしょうか。
単行本20巻に掲載された大正こそこそ話によれば縁壱の名前には人と人とのつながりを何より大切にという思いが込められているそうです。
縁壱は幼い頃にあり兄・巌勝からもらった笛をいただいた。
この笛を兄上だと思いどれだけ離れていても挫けず日々精進いたしますと言って何十年も持ち続けていましたよね。
同様に黒刀を妻・うただと思って持ち続けていたとしても不思議ではありません。
さらに巌勝の笛を入れていた巾着は生まれてくるはずだった娘のものではないかとも言われています。
この巾着はうたが来ていた着物と同じ柄ですが色が黄色ではなく桃色でした。
縁壱の子供はまだお腹の中にいる時にうたとともに亡くなっています。
しかし縁壱には人体が透けて見える透き通る世界の力がありました。
つまり縁壱にはうたのお腹の中にいた子供の姿が見えていた可能性があります。
うたは亡くなる前に臨月になっていたので縁壱には生まれてくる子供の性別も分かっていた可能性があります。
仮に縁壱の子供が女の子だったとするならばこれから生まれてくる娘のために可愛らしい桃色の着物を用意していたとしても不思議ではありませんよね。
このことから縁壱は兄の笛娘の服で作った巾着そして妻・うたの瞳と同じ色の黒刀を持ち歩いていたことになります。
普段の刀の色はうたの瞳と同じ黒色で戦う際は縁壱の瞳と同じ赤色に変化しているところも縁壱の心情を表しているように思えますよね。
2.無一郎の左腕
次に黒死牟戦で無一郎の左腕が切断されることについて考察していきたいと思います。
伏線時透無一郎は上弦の壱・黒死牟の人たちによって左手を失いました。
天才剣士と言われる無一郎の左手が一瞬で切り落とされる様に衝撃を受けた方も多いのではないでか。
実は無一郎が左手を失う未来が刀鍛冶の里ですでに示唆されていた可能性があります。
刀鍛冶の里編で無一郎は単独で上限の伍・玉壺との戦いを繰り広げました。
この時4個の術中にはまった無一郎のため里の少年・小鉄が命がけで救出する場面があります。
小鉄の犠牲を機に無一郎は失っていた記憶を取り戻しましたよね。
失われていた記憶では無一郎の双子の兄・有一郎が鬼に殺されていた事実が明かされます。
この時に有一郎は左腕を失っています。
後に無一郎が黒死牟によって切り落とされる腕と同じ腕ですよね。
片腕を失ったことで死にゆく有一郎の右手を無一郎は自身の左手で握っていました。
しかし次の話の扉ではなぜか有一郎の手を握る無一郎の手が右手に変わっています。
さらに左腕がない有一郎と同じように無一郎の左腕も描かれていません。
記憶を取り戻したことで本来の正確に戻った無一郎ですが戦闘などで気が立っている時には一人称が僕ではなく俺になることがありました。
また兄のような毒舌な部分と本来の性格である柔らかくて素直な性格の二面性が見られるようになります。
これは無一郎という人格を取り戻すと同時に雄一郎の記憶も取り戻していたからではないでしょうか。
つまり雄一郎の性格や言動共に生まれ育った思い出や絆などより深く兄の存在をイメージできるようになった影響と言えるでしょう。
たとえ肉体は失われても心や魂はいつまでも共にあると考えていたのではないでしょうか。
戦闘などの大事な局面においては心の中の有一郎と一緒に立ち向かっていたとしても不思議ではありません。
捉え方によっては無一郎は有一郎と一つになっていたとも考えられますよね。
兄と心が離れ離れになっていた少年時代には左腕とともに有一郎の命も失ってしまいました。
しかし兄と一つになって挑んだ最終決戦では同じく左腕を失いながらも上限最強の王に黒死牟を追い詰め鬼のいない世界の実現に大きく貢献することができたという受け取り方もできるのではないでしょうか。
3.縁壱
たどり着く道はいつも同じ遊郭での戦いで消耗し2ヶ月もの間眠り続けていた炭治郎は自身の先祖である竈門炭吉と継国縁壱の記憶を垣間見ました。
跡継ぎのいない縁壱のため炭吉はあなたのことを後世に伝えますと言います。
しかし縁壱は必要ないと返し道を極めたものがたどり着く場所はいつも同じだ時代が変わろうともそこに至るまでの道のりが違うとも必ず同じ場所に行き着くと伝えました。
はっきり言ってここだけを見ると全く意味が分かりませんよね。
縁壱のたどり着く先はいつも同じという発言は縁壱でも倒せなかった無惨討伐を炭治郎らが成し遂げることを示唆していたのではないでしょうか。
日ノ呼吸・痣透き通る世界といったチートとも呼べる能力を持つ縁壱は作中最強のキャラクターと言えます。
しかしそんな縁壱は無惨を倒すことはできませんでした。
無惨を直接追い詰めたのは炭治郎や柱を始めとする鬼殺隊ですが、
その背景には協力者である珠代と愈史郎や日輪刀を鍛えた刀鍛冶隠しや藤の花の家紋の家など多くの人間の支えがありました。
どのキャラクターが欠けても無惨の討伐には至らなかったと思われ数え切れないほどの縁があって初めて宿敵無惨を葬ることができたと言えます。
またかつてともに鬼殺隊として活躍していた縁壱と巌勝のやり取りの中で後継者について話す場面がありました。
自分たちを特別な存在だと感じていた巌勝は自分たちに匹敵する後継者がいないと縁壱に語っています。
しかし縁壱は私たちはそれほど大層なものではない長い長い人の歴史の本のひとかけらと言い、
さらに私たちの才覚をしのぐ者が今この瞬間にも産声を上げている。
彼らがまた同じ場所までたどり着くだろう」
と語りました。
作中でも最強クラスの実力を持っていた縁壱ですがこれから先の長い歴史の中で自分たちよりも才能に恵まれた人材は必ず現れると断言しています。
縁壱のたどり着く場所はいつも同じだとはどんなに優れた人間でも一人では限界があり人と人とが手を取り合って縁を紡ぎ後世に思いを継承していくことの大切さを説いていたのではないでしょうか。
4.透き通る世界
鬼滅の刃に登場した最強クラスの能力の一つに「透き通る世界」があります。
現役の鬼殺隊では竈門炭治郎が一番初めに習得しており上弦の参・猗窩座の死闘の中で覚醒しました。
明言されたのは最終決戦ですが炭治郎はすでに刀鍛冶の里編で透き通る世界を使っていた可能性があります。
透き通る世界とは最小限の動作で最大限の力を発揮できる状態を指しこの領域に達したものは相手の体が透き通って見えます。
これにより相手の骨や筋肉の動きが読めたり目に見えない弱点を把握したりといったことが可能になります。
また透き通る世界に入った炭治郎は赤子でさえ放っているとされる陶器を0にすることで陶器を感知する猗窩座に対抗していました。
刀鍛冶の里で透き通る世界が使われたと推察できる場面が上限の肆・半天狗との戦いの終盤です。
半天狗は切られるたびに分裂体を生み出す血鬼術を使用します。
基本的に戦闘はすべて分裂体に任せ本体は表に出ずひたすら身を隠していました。
本体を倒さない限り永遠に分裂体と戦い続けなくてはならない状況で炭治郎たちは本体探しに奔走します。
どこを探しても本体が見つからない切迫した状況の中、極限まで集中した炭治郎が分裂体の心臓に隠れている本体を見つけ出しました。
この時炭治郎には分裂体の体が透けて見えているような描写がされています。
炭治郎に自覚はなかったようですが相手の体が透ける表現は後の最終決戦で透き通る世界に覚醒した時と酷似しています。
また公式ファンブック弐によれば透き通る世界とは必要な動作だけに集中し他の感覚を閉ざすことで到達できる境地と説明されていました。
半天狗の本体を見つけた時の炭治郎も嗅覚に集中しているような描写がされていますよね。
このことから炭治郎はこの時嗅覚以外の感覚を閉ざすことで一時的に透き通る世界に覚醒していたと考えられます。
5.赫刀
炭治郎と禰豆子の合体技といえば爆血刀ですよね。
実は刀鍛冶の里で使われた爆血刀こそが後の最終決戦で登場する赫刀につながる重要な伏線だった可能性があります。
爆血刀とは炭治郎の日輪刀に禰豆子の血鬼術である爆血を付与する技でしたよね。
大きな特徴として刀が炎をまとい頭身が赤く染まります。
爆血が初めて登場したのは下限の伍・累との戦いですが刀身の色について言及されたのは刀鍛冶の里が初めてでした。
一方赫刀とは始まりの剣士・継国縁壱が使っていたとされる赤い刀です。
普段は黒い刀身が戦いの場では赤く染まっていたとされています。
縁壱の赫刀には鬼の再生能力を阻害する効果がありました。
最強の鬼である無惨ですら縁壱の赫刀で斬られた場所を再生することができませんでした。
刀鍛冶の里ではそんな赫刀と爆血刀の類似点について言及される場面があります。
刀が赤く染まった直後、炭治郎は先祖の記憶を垣間見ています。
記憶では竈門家の先祖である炭吉の妻・すやこがお侍様の方が戦う時だけ赤くなるのねえと言っていました。
また爆血刀を見た斑点は燃える刃赫刀と言っており自身の中に眠る無惨の記憶から縁壱と炭治郎を重ねてみています。
その後爆血刀で切られた半天狗は何だこの斬撃は再生できぬ焼けるように痛いと叫んでいましたよね。
最終決戦では万力の握力で握ったり刀同士をぶつけ合ったりすることで赫刀が発言していました。
どちらの方法でもきちんと鬼の再生能力を阻害する力が宿っていましたよね。
このことから赫刀を発言する方法は一つではなく複数存在すると考えられます。
つまり炭治郎が禰豆子の爆血で作り上げた爆血刀が鬼の再生能力を阻害し強い苦痛を与えている以上赫刀であると言えるのではないでしょうか。
6.小鉄に言った台詞
次に炭治郎が小鉄に言い放った台詞について考察していきたいと思います。
小鉄とのやり取りの中で炭治郎は自身が志半ばで死ぬ可能性に言及した後でも、
必ず誰かがやり遂げてくれると信じてる俺たちがつないでもらった命で上限の鬼を倒したように俺たちが繋いだ命がいつか必ず鬼舞辻を倒してくれるはずだから
と語りました。
これは鬼滅の刃のテーマとされる「繋ぐ」に繋がっているのではないでしょうか。
自分の代で果たせなくても意思を継ぐものが現れてやり遂げてくれるといった意味合いの言葉はかつて継国縁壱も言っていましたよね。
炭治郎と縁壱に血のつながりはありません。
しかし竈門家との縁を通じて日の呼吸が繋がれたことで炭治郎は大きな力を得ることができました。
他にもそれぞれの呼吸や日輪刀製造の作り方など多くのつながれてきたものが存在しています。
こうしたつながれてきたもの神を結び炭治郎の言葉通りに鬼舞辻無惨惨を打ち倒すことができたのではないでしょうか。
7.123話の扉絵
恋柱・甘露寺蜜璃の過去が明かされた123話の扉絵には桜の木の下で佇む着物姿の甘露寺が描かれています。
一見すると123話で語られたお見合いに臨む甘露寺の姿に思えますよね。
しかし味方によっては甘露寺がずっと追い求めていた私のままの私を好きになってくれる人が現れることを示唆しているようにも受け取れます。
甘露寺は自身の変わった髪色や特殊体質が原因でお見合いが破談になった過去があります。
この出来事以降髪を黒く染め食欲を抑えて自分らしさを隠して生きていました。
私のままの私がいられる場所ってこの世にないの私のこと好きになってくれる人はいないのと悩んでいたようです。
そんな甘露寺と両思いだったのが蛇柱・伊黒小芭内ですよね。
実はこの123話の扉絵に酷似した場面が最終決戦で語られた伊黒の回想に登場しています。
この回想では伊黒の出自と共に鬼のいない平和な世界でもう一度人間に生まれ変われたら今度は必ず君に好きだと伝えるという伊黒の独白がありました。
独白の場面では伊黒の思い描いた想像と思われる世界で生まれ変わった伊黒が甘露寺のもとに歩いていく様子が描かれています。
この時甘露寺が伊黒を待っていた場所が桜の木の下であり服装も扉へと同じ桜柄の着物でした。
公式ファンブック・弐によれば伊黒は食事をするのが面倒であまり好きではなかったそうです。
しかし美味しそうに食事をする甘露寺を見ていると幸せな気分になりいつもよりも食欲が沸いたようです。
また甘露寺に対する伊黒の第一印象は普通の女の子でした。
こうした点から伊黒は甘露寺を色メガネで見ることなく等身大の女の子として扱っていたことがわかります。
伊黒こそが甘露寺が求めていた甘露寺自身を好きになってくれる相手だったと言えるでしょう。
123話の扉絵と伊黒の回想が繋がっているように見えるのは甘露寺に運命の相手が現れることを示唆していたのではないでしょうか。
188話の笑顔は自分を隠さずにいられる運命の人に出会えたことの喜びが溢れているように見えます。
鬼滅の刃でよく物語に添えられる植物にも注目してみましょう。
桃色の花はおそらく桜で紫色の地面に入る花は菖蒲の菖蒲番勝負やカキツバタだと推測できます。
それぞれの花言葉は桜が優美な女性、純潔アヤメ化の花々は希望あなたを信じます。
幸せは必ず来るです二人の関係性を表しているような気がしませんか。
甘露寺や無一郎の過去など興味深く感動的な逸話が印象的な刀鍛冶の里編ですが改めて振り返ってみると作品の根幹をなす重要な伏線がいくつも隠されていましたよね。
もう一度刀鍛冶の里編を観たくなったと思った人はまた次の記事でお会いしましょう。
今後も鬼滅の刃の素晴らしさを伝えるべく記事を紹介しますのでよろしくお願いいたします。
今回は以上です。
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