こんにちはエンタメ考察室です。
主人公・炭治郎とともに激動の人生を歩むことになった女主人公と言えば竈門禰豆子ですよね。
鬼でありながら人間の味方として戦い傷つきながらも炭治郎とともに成長を重ねる姿は多くの読者に感動を与えました。
今回はそんな竈門禰豆子について解説していきたいと思います。
また遊郭編で炭治郎が歌った子守歌の秘密や覚醒した禰豆子の身体に表れた痣についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.竈門禰豆子
禰豆子は主人公・炭治郎の妹であり本作の女主人公でもある登場人物です。
おでこが出た黒髪の長い髪と口に咥えた竹筒が特徴的であり麻の葉文様の着物を着ています。
父・炭十郎が病死しており炭治郎とともに母・葵枝を支えていました。
気立てがよく町でも評判の美人と言われるほど整った顔立ちをしています。
藤の花の家で初めて禰豆子を見た善逸が一目惚れしていることからもいかに禰豆子が魅力的な容姿をしているかが分かりますよね。
物語の冒頭で鬼舞辻無惨によって鬼に支えられますが鬼でありながら最後まで人間の味方として戦い続けました。
これは鱗滝さんにかけられた
人間を守るようには敵だ
人を傷つける鬼を許すな」
という暗示の効果によるものとされています。
しかし禰豆子は暗示を受ける前から人を襲うことに抗おうとしていました。
兄である炭治郎をかばう姿がありました。
このことから禰豆子はもともと鬼の支配に屈しない強靭な精神力を持っており暗示はあくまで本来持っていた精神力を補っているだけなのではないでしょうか。
また人を喰わないかわりに睡眠で体力を回復していたり作中で初めて太陽の光を克服した鬼になったりと鬼の中でもあらゆる面において特異な存在と言えるでしょう。
人間時代は明るく快活な性格をしており「公式ファンブック・弐」によれば禰豆子は子供の頃から聞き分けがよく我儘を言ったことがなかったそうです。
祖母や父が亡くなった時ですら、
おばあちゃんもお父さんも私たちが泣いてばかりいると安心できないから
今日いっぱい泣いたらまた頑張ろうね
笑顔でいようね」
と弟たちをなだめていました。
このことから周囲への気配りができる優しさと芯の強さがうかがえます。
鬼になってからは炭治郎に撫でられて喜ぶなど実年齢よりも幼い性格へと変わっています。
「公式ファンブック・弐」では比較的多くの隊士達と良好な関係を築くことができていたことが明かされました。
特に恋柱・甘露寺蜜璃は禰豆子を甘えさせるのが上手だったようです。
2.覚醒した禰豆子の痣
鬼化した禰豆子は基本的に爪や蹴りなどの肉弾戦を得意としており一般的な鬼と比べても強力な身体能力を持っています。
これは無惨に与えられた血の量が多いためとされておりまだ血鬼術に覚醒していない頃の禰豆子でも異能を持つ沼鬼と対等に渡り合うほどの実力を持っていました。
禰豆子の血鬼術・爆血は自らの血を発火させる血鬼術です。
「公式ファンブック」によればこの炎は鬼由来のものしか燃やさず相手の血鬼術を破る鬼の毒を浄化するなど鬼に対抗する力を持っているとされています。
無限列車編では炭治郎たちを夢から覚ますために遊郭編では上弦の陸・妓夫太郎から受けた毒を浄化するために味方に炎を放つ様子が見られましたが炎を受けた相手はダメージを負うことなく血鬼術の効果だけが消え去りました。
一方で刀鍛冶の里では人間でありながら鬼を喰らった不死川玄弥にもダメージがありましたよね。
このことから禰豆子の爆血は鬼に対して絶大な効果を発揮しますが鬼由来のものであれば敵味方関係なく燃やしてしまうリスクも存在することがわかります。
また同じく刀鍛冶の里では炭治郎の日輪刀に火を放つことで刀身が赤くなり鬼の再生を阻害する「赫刀」へと変化させるきっかけとなりました。
戦闘を経験するたびにより急激な成長を遂げていた禰豆子ですが上弦の陸・堕姫と対峙した際にはこれまでとは一線を画す覚醒を果たしています。
成人のような体つきとなり額には角が生え全身には痣のような模様が浮かびました。
外見だけではなく戦闘力も大幅に強化され特に再生能力に関しては上弦の鬼である堕姫を上回るレベルだと言われています。
先ほど解説した爆血の能力も相まって堕姫を圧倒するほどの実力を見せつけました。
作中では堕姫との戦いで命の危機に瀕した炭治郎の姿がきっかけとなり覚醒を果たしています。
堕姫は上弦つまり鬼舞辻の血の濃度が今まで禰豆子が遭遇したどのをによりも高かったと解説されているように堕姫を通して無惨の気配を強く感じた禰豆子はかつて目の前で家族が殺された記憶が呼び起こされたことで強い怒りを覚え肉体を変えるほどの覚醒に至ったといえるでしょう。
また覚醒した禰豆子の身体には痣のような模様が刻まれています。
左右に小さな葉っぱがついているような形は藤の花に酷似しています。
藤の花には
という花言葉が存在します。
これは禰豆子と炭治郎の関係性を表しているのではないでしょうか。
禰豆子が鱗滝さんの下で眠っていた2年間を除けば禰豆子と炭治郎はどんなに辛い任務も共に乗り越えてきましたよね。
堕姫に無惨を重ねたことで亡くなった家族を想起した禰豆子は炭治郎にだけは死んでほしくないと感じたのではないでしょうか。
こうした気持ちが禰豆子の肉体を変化させ「決して離れない」という意味をもつ藤の葉模様の痣を発現させたのだと思われます。
思い返せば初めて血鬼術に覚醒した時も炭治郎が命の危機に瀕している時でした。
禰豆子の覚醒の根本には
という思いがあるのかもしれませんね。
3.炭治郎との絆
ここまでの解説でもわかるように禰豆子は常に炭治郎と共にやろうとしてきました。
唯一生き残った肉親であることや鬼になっても妹を信じてくれたという絶大な信頼がそうさせたのかも知れません。
作中において禰豆子は炭治郎と一緒にいるだけではなく共に戦い、時には兄である炭治郎を身を挺して守る存在でもありましたよね。
物語冒頭で冨岡義勇に討伐されそうになった時には飢餓状態に陥りながらも気絶した炭治郎を庇っていました。
上弦を初めとする数々の鬼との戦いでも禰豆子が協力な力に目覚める時は必ずと言っていいほど炭治郎が危機に陥っている時でした。
珠世の薬など様々な要因が重なった上ではありますが、最終決戦において鬼と化した炭治郎を人間に戻すきっかけとなったのも禰豆子です。
こうして見ると炭治郎が禰豆子をかばい守ってきたように禰豆子もまた兄である炭治郎を常に守っていることが分かります。
このことから鬼となって人間時代の記憶が希薄になっても禰豆子と炭治郎のお互いを思いやる絆はまったく変わっていないと言えるでしょう。
禰豆子と炭治郎が抱いている思いがわかる代表的な逸話として遊郭編で禰豆子が炭治郎に対して
と語る場面が挙げられます。
これは妓夫太郎との戦いで次々とやられていく仲間たちを見た炭治郎が気を失った際に見た白昼夢で禰豆子に言われた一言でしたよね。
禰豆子は全ての責任を一人で背負い込むもうとする炭治郎を覚もっと他人を信じて責任を分かち合って欲しいと考えていたのではないでしょうか。
そう考える根拠として禰豆子の発言があります。
禰豆子は白昼夢の中で
お父さんが病気で死んだのも悪いことみたい」
とやや棘のある台詞を言っています。
一見すると何でも自分の責任としてとらえがちな炭治郎が誰かのせいにしたいというのは矛盾するようにも思えます。
しかし見方を変えれば
この人が傷つくのは自分のせいだ」
と他人の人生を炭治郎の物差しで一方的に決めつけているとも言えますよね。
他人の人生までもが炭治郎の責任になるということは炭治郎は他人の力を信じているようで自分の力しか信じていないとも言えるのではないでしょうか。
禰豆子は炭治郎の過度な責任感に否定的だったのかもしれません。
実際、禰豆子は
前を向こう一緒にがんばろうよ戦おう」
と語り掛けています。
つまり禰豆子は炭治郎の生き方全てを否定しているわけではなく
頼ってほしい」
と訴えていたのではないでしょうか。
そう考えると禰豆子が白昼夢の最後に言った
という台詞にはすべてをひとりで背負いこんでしまう炭治郎を心配するとともにもっと周りを頼ってほしいという気持ちが込められていたと考えられます。
この白昼夢を見る前の炭治郎は自分が何とかしなければという焦りから思考が追いつかずパニックとも呼べる状態に陥っていました。
しかし白昼夢を見たことで冷静さを取り戻し妓夫太郎の隙をついて反撃に転じることができました。
炭治郎の反撃がきっかけとなり戦況が一変し結果的に鬼殺隊の勝利につながりましたよね。
4.子守歌の意味
次に炭治郎が禰豆子に歌った子守歌について考察していきます。
これは遊郭編で覚醒し自我を失いかけた禰豆子を落ち着かせるために炭治郎が歌ったものです。
歌を聴いた禰豆子の回想から母・葵枝が歌って聴かせていたものと推察されます。
炭治郎が歌った子守歌には竈門家と鬼との関係性が暗示されているのではないでしょうか。
1.赤い実
根拠の1つ目は子守歌に登場する赤い実です。
うさぎの眼が赤いのは母親が赤い実を食べたからといった内容のこの歌は「小山の子うさぎ」という名前の歌だと思われます。
「小山の子うさぎ」は佐賀県発祥の歌とされており作中の時代設定である大正時代の佐賀県では「南天棒」と呼ばれる僧侶が有名でした。
「南天棒」はその名の通り赤い実をつける南天が付いた棒を持って教えを説いていた僧侶です。
大正時代が舞台の鬼滅の刃であえて佐賀県の子守歌を選んでいることから歌詞に登場する赤い実は南天である可能性が高いのではないでしょうか。
ちなみに南天の実はとても小さくうさぎでも容易に食べられる大きさと言えるでしょう。
2.南天の花言葉
根拠の2つ目は南天の花言葉です。
南天には良い家庭という花言葉が存在します。
これは仲むつまじく暮らしていた竈門家そのものを表していると考えられますよね。
作中では炭治郎が子守歌を歌ったことで母・葵枝との記憶を思い出した禰豆子が落ち着きを取り戻しています。
つまり炭治郎と禰豆子にとって子守歌は家族との絆そのものであり家族との良い思い出や幸せだった記憶を思い起こす共通言語だったのではないでしょうか。
実際、炭治郎の子守歌を通じてかつての穏やかな生活の記憶に触れたことが凶暴化した禰豆子の心を沈静化させるきっかけになりました。
さらに南天の開花時期にも2人の絆が隠されていると言えるでしょう。
南天の開花時期は7月であり12月ごろに赤い実をつけるとされています。
炭治郎の誕生月は7月で、禰豆子の誕生月は12月です。
つまり南天は炭治郎に始まり禰豆子で実を結ぶ2人の強い結びつきを表す植物とも考えられますよね。
3.魔除け
根拠の3つ目は南天が魔除けに使われていたことです。
南天には「難転」つまり災いを転ずるという魔除けのような意味があります。
魔除けとして使う時は鬼門に向けて飾るのが主流とされています。
「鬼門」は陰陽道で使われる言葉で陰陽道が最盛を極めた平安時代は宿敵無惨が生まれた時代でしたよね。
さらに鬼門は竈門や文に例えられることがあり竈門家を暗示している可能性があります。
つまり無惨が来る方角から人々を守る者のような存在が竈門家なのではないでしょうか。
実際、作中では竈門家の存在がなければ日の呼吸は途絶え当然、炭治郎や禰豆子も生まれませんので無惨の討伐は絶望的だったといえるでしょう。
以上の三点かから炭治郎が禰豆子に歌った子守歌には禰豆子と家族との絆を表すだけでなく竈門家が鬼から人々を守る存在になることを暗示していたと考えられます。
まとめ
竈門禰豆子は鬼でありながら鬼殺隊とともに人々を守るために戦い続けました。
作中ではほとんど台詞もなく何を考えているのかが読み取りにくい登場人物ではあります。
しかしその行動原理には炭治郎をはじめとする家族への深い愛情や仲間たちへの強い信頼感があるのではないでしょうか。
鬼にされたことで多くのものを失った禰豆子です。
逆に鬼になったからこそ終えることができたものも多いと言えるでしょう。
禰豆子と炭治郎の絆に感動したまた覚醒した禰豆子が強すぎて驚いた人はまた次の記事でお会いしましょう。
今回は以上です。
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