鬼滅の刃

【鬼滅の刃】「入れ替わりの血戦」はどんな戦いだったのかを考察!

2023年8月31日

『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 

質問者
「入れ替わりの血戦」とはどんな戦いだったのか教えてください。

 

こんにちはエンタメ考察室です。

鬼滅の刃の中でも鬼舞辻無惨率いる十二鬼月の物語や関係性は見どころの一つですよね。

そもそも十二鬼月の鬼たちには「入れ替わりの血戦」という制度が用意されています。

「入れ替わりの血戦」とは位の低い鬼が上位の鬼に戦いを挑み勝利すると昇格できるという下剋上制度です。

今回は公式ファンブックで明らかにされた黒死牟こくしぼう猗窩座あかざ座の間で過去に行われたという「入れ替わりの血戦」について考察していきたいと思います。

また猗窩座が黒死牟に戦いを挑んだ理由や黒死牟が猗窩座を殺さなかった理由についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。

 
 
 

※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

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1.入れ替わりの血戦

「入れ替わりの血戦」とは十二鬼月内における序列を変えるために行うことができる下克上制度です。

公式ファンブックでは「下位の鬼が上位の鬼に「入れ替わりの血戦」を申し出会の鬼が上位の鬼と戦い勝利した場合はその位を上位に置換することが可能となっている」と説明されています。

本編では「入れ替わりの血戦」そのものは描かれていませんが十二鬼月に属する鬼たちが出世のために「入れ替わりの血戦」を意識する描写がありました。

例えば無限列車編に出てきた下弦の壱・魘夢えんむは上弦の鬼に対して「入れ替わりの血戦」を申し込もうと考えていました。

つまり上弦と下弦が入れ替わる際にもこの「入れ替わりの血戦」が行われるということです。

公式ファンブックではこの血戦の決着後には

「負けた方が喰われて吸収される」

とされています。

なお負けた鬼の吸収については鬼舞辻無惨の許可が必要ということです。

さらにファンブックでは過去に猗窩座が黒死牟に「入れ替わりの血戦」を挑んだことも明らかにされました。

黒死牟に「入れ替わりの血戦」を申し込んだ鬼は猗窩座の前に二体いていずれも負けて黒死牟に吸収されていますが猗窩座のことは生かしたということです。

この理由については後ほど考察していきます。

2.黒死牟

黒死牟は鬼舞辻無惨の最古参の配下で上弦の鬼の中でも最強の上弦の壱です。

戦国時代に鬼殺隊に所属していた元鬼狩りという異色の経歴を持っています。

袴姿で長髪を一つに束ねており侍のような格好をしています。

そしてなんといっても金色の眼光が鋭い真っ赤な六つの目が特徴的で恐ろしい風貌ですよね。

性格は常に冷静沈着で口数も少ないです。

しかしその威圧感については見るものを恐怖させるものがあり最終決戦の際に相対した無一郎は

「重厚な様」
「異言すらある」
「怖気がが止まらない」

と表現していました。

黒死牟の能力として挙げられるのが全集中・月の呼吸です。

これは鬼が持つ異能の力「血鬼術」と鬼殺隊が扱う技術「全集中の呼吸」を組み合わせたものです。

人間時代には剣士として名を馳せた鬼狩りでありながら鬼になってから数百年の研鑽を積んだ黒死牟が辿り着いた規格外の能力となっています。

黒死牟の過去編では双子の弟である縁壱の生まれ持った剣術の才能に嫉妬しそれが黒死牟が強さを追い求める限定であることが明らかになりました。

黒死牟になる前人間だった継国巌勝に近づくは優秀な剣士として「痣」が発言し残された人生が長くないことを悟ります。

自分が生きているうちに縁壱を超えられないことに焦りを感じていた時に鬼舞辻無惨に

「鬼になれば良いではないか」

と提案され巌勝は鬼になることを選び黒死牟が誕生したのです。

その後年老いた縁壱と対峙するも寿命で縁壱が死に黒死牟は憎さと惨めさに苛まれ誰にも負けられないと強く思うようになります。

その後400年にもわたって「上弦の壱」に君臨し続けてきました。

黒死牟には弟を超えた弟になりたいという嫉妬と羨望があり鬼になっても「強さ」への執着心を掻き立てているのです。

そんな黒死牟は基本的に他の鬼と親しくするような描写はなく個人主義であることが伺えるものの猗窩座に

「俺は必ずお前を殺す」

と敵意を向けられた際には

「そうか励むことだ」

と声をかけていました。

さらに無限城決戦で猗窩座が敗れたことを耳にした際は

「敗北するとは…」
「私に勝つのではなかったか」
「軟弱千万」

と珍しく感情を露わにしていました。

3.猗窩座

猗窩座は十二鬼月において上弦の参の地位にいる鬼です。

武器を使わず自分の体のみを使う武術「素流」のスタイルが特徴です。

猗窩座は全身に藍色の線状の紋様が刻まれている青年の風貌をしています。

この紋様は罪人の証である刺青いれずみがモチーフとなり全身に広がっていることが猗窩座の過去編で明らかになりました。

猗窩座の血鬼術「破壊殺」は自身の身体能力を強化しその状態から徒手空拳による技を放つという単純なものです。

ただその強さは確かで猗窩座は百年以上もの間上弦の座につき鬼殺隊の柱たちを何人も葬ってきました。

猗窩座は強者と真っ向から戦うことを好み

「強き者は鬼の永き生をもって"思考の領域"を目指すのが理」

という考えを持っています。

そのため強者と認めれば戦闘相手を惜しみなく称賛し馴れ馴れしく鬼に勧誘する場面もありました。

例えば無限列車編では炎柱・煉獄杏寿郎に対してさらに最終決戦では冨岡義勇に対して。

「鬼にならないか?」

と誘っていました。

一方

「弱者を見ると虫酸が走る」

という台詞や炭治郎をひと目見たときに

「話の邪魔になる」

と言って殺そうとする場面もあり極端な実力主義の価値観がよく表れていました。

さらに猗窩座といえば作中で唯一自死を選んだ鬼です。

猗窩座が鬼となった経緯には猗窩座を見限って自死してしまった父親の存在やその後世話になるも結局守ることができなかった恩師と病弱な少女の存在がありました。

人間時代に自分の手で大切な人たちを守れないまま失ってしまった経験が弱い自分を許せず強さに固執する猗窩座の精神を作り上げたといえます。

鬼舞辻無惨からは一見理不尽にも見える扱いを受けていますが公式ファンブックでは

「真面目で忠実なのでお気に入り」

と評価されていました。

人を喰うよりも鍛錬に時間を費やしたり女性を食べないといった特例を猗窩座に対しては許していることからも特別な待遇がわかります。

4.黒死牟vs猗窩座

黒死牟と猗窩座の「入れ替わりの血戦」は本編では描かれていません。

そのためここでは考察の範疇でどのような戦いだったのかを想像していきます。

まず猗窩座が黒死牟に「入れ替わりの血戦」に挑んだという点についてです。

猗窩座には強者に勝ちたいという拘りがあるので十二鬼月の頂点である黒死牟に血戦を挑むこと自体には違和感はありません。

しかし通常「入れ替わりの血戦」を申し込むのであれば一つ序列が上の童磨から戦うのが自然にも思えます。

実際に作中では童磨に煽られて頭にきた猗窩座が黒死牟から

「童磨に不満があるなら入れ替わりの血戦を申し込め」

と諭される場面がありました。

なぜ猗窩座は血戦の相手に黒死牟を選んだのでしょうか。

一つ目の可能性は強者に勝つことに価値を見いだす猗窩座にとっては段階を踏むことに対した意味はなかったため童磨をスルーして黒死牟に目をつけたというものです。

2つ目の可能性は童磨のスタンスに興味がなかったということです。

童磨は積極的に女を喰うことで強くなった鬼です。

女を喰うこともせず鍛錬によって自分を高めることに重きを置いていた猗窩座とはスタンスや性格がまるで違い上弦の会議でも明らかに反りが合わない様子でした。

一方で強さのために自己鍛錬をしてきた黒死牟は自分と似通い認める部分もあるからこそライバル視していた可能性があります。

これらのいずれかの可能性から猗窩座は血戦の相手に黒死牟を挑んだのではないでしょうか。

そんな黒死牟と猗窩座の「入れ替わりの血戦」の内容ですが上弦同士の熾烈な争いであったと想像できます。

しかし両者にはかなりの実力差があったと考えられます。

黒死牟は限られた人間しか会得できない「透き通る世界」と「痣」を発現したことで筋肉の動きから敵の行動を予知することができると明らかにされていました。

これは他の上弦の鬼が辿り着けなかった境地なので黒死牟はやはり無惨に次ぐ者だということが分かります。

実際に最終決戦において猗窩座は炭治郎と冨岡義勇を相手に手に汗握る戦いをしていましたが黒死牟は時透無一郎、不死川兄弟、悲鳴嶼行冥を一気に相手してしかもそのうち二人を死に追いやる強さを見せています。

やはり単純な戦闘能力だけで比べても黒死牟に分があると言えそうです。

さらに黒死牟は猗窩座にとって相性が良い相手とは言えません。

猗窩座は高度な体術に裏付けられた血鬼術を存分に生かした接近戦を得意とする武闘派です。

一方黒死牟の血気術は遠距離攻撃こそ最大の威力を誇っていました。

攻撃を避けたとしても不可視の斬撃が散り散りに発生し相対したものは回避するだけで精一杯です。

最終決戦では最強の柱である悲鳴嶼行冥ですら遠距離斬撃を食らった際に

「この間合いで攻撃が届くだと!?」

と驚きを隠せない様子でした。

しかもこの遠距離を利用すれば黒死牟は回復を行うことができるので距離を取られるほど猗窩座には不利な戦況になることが想像がつきます。

とはいえ猗窩座には破壊殺・空式のように中距離面を制圧する技があります。

拳での殴り合いの間合いでないと強さを発揮できないわけではなく中距離攻撃を用いることで黒死牟に対抗できるでしょう。

また義勇の刀を横からの打撃で折る場面もあったので黒死牟の武器である方が「虚哭神去」を折ることも可能だと思います。

しかし虚哭神去は自身の血肉から精製するという鬼特有の武器なので折られたとしても決定打にはなりません。

さらに猗窩座は羅針によって闘気を感知することができます。

最終決戦で炭治郎が「透き通る世界」に入った後

「闘気を閉じる」

ということを行ったときに猗窩座は初めて見たと驚いていました。

つまり同じく「透き通る世界」を行うことができる黒死牟でも「闘気を閉じる」ことはできなかったと考えられます。

もちろん猗窩座に対して手を抜いていただけかもしれませんが真っ向からの真剣勝負を好み猗窩座に自身を超えることを期待していた黒死牟が「闘気を閉じる」ことができるのにあえて猗窩座に行わなかったということは考え難いです。

よって猗窩座の羅針は黒死牟に対して有効であり攻撃を探知した攻防ができたと考えられます。

以上を考えると黒死牟に対しても全く無策というわけではなく有効な反撃をしたもののそれでも敵わなかったのではないでしょうか。

結果的に「入れ替わりの血戦」は黒死牟の勝利という形で終わりましたが黒死牟は猗窩座を吸収しませんでした。

5.殺さなかった理由

なぜ黒死牟は「入れ替わりの血戦」に勝ったにも関わらず猗窩座を食べなかったのでしょうか。

理由としては黒死牟が猗窩座を気に入っていたということが挙げられます。

公式ファンブックでは黒死牟について

「上弦の壱から動いたことは一度もなく」
「お気に入りの猗窩座に「入れ替わりの血戦」を申し込まれた時には」
「嬉しかったようで喰わずに生かしておいた」

と記載されていました。

十二鬼月の中で

「お気に入りの鬼がいる」

という明確な設定があるのはそもそも珍しい上に孤高の存在に見える黒死牟にお気に入りがいるというのも少し意外に思った人も多いのではないでしょうか。

上弦会議で童磨を完全にスルーしてほとんど猗窩座だけ言葉を交わしていたり猗窩座が死んだ時には刀で周辺の柱を斬り刻むほど感情を露わにしていたのも単純に猗窩座を気に入っていたからということになります。

ではなぜ黒死牟は猗窩座をそれほどまでに気に入っていたのでしょうか。

そう考えられる理由として2つ挙げられます。

一つ目は猗窩座は黒死牟には共通点があり黒死牟は猗窩座のスタンスを理解し期待していたということです。

人間を殺すことを楽しむ無惨に認められたいといった鬼が多い中、猗窩座は自身の鍛錬に励み己の強さに拘る正当な武闘派でした。

この点は武人として数百年研鑽を積んできた黒死牟と似通った精神を感じさせます。

一方で黒死牟は上弦の弐・童磨に対しては煙たそうに無視している描写がありこれは童磨の道化っぷりに基づいた残虐性やふざけたような態度が単純に嫌いだったと見て取れます。

二つ目は黒死牟という鬼の孤独な背景についてです。

黒死牟は言うまでもなく鬼舞辻無惨の配下で最強の鬼であり周囲にも一目を置かれている存在です。

強さゆえの孤独の中、敬遠もなく真っ向から挑んでくる猗窩座の姿勢は新鮮であり嬉しかったのではないでしょうか。

また黒死牟を語る上で外せないのが弟・縁壱の存在です。

自分より才能に溢れた縁壱は黒死牟にとって激しい嫉妬の対象でした。

戦国時代という跡取りの序列が重要視される時代の武士であり長男であった黒死牟にとって弟という存在は自分よりも年下故に劣るべき存在、格下の存在であるべきだったと考えられます。

しかし縁壱が苦労して鍛錬を重ねる自分を軽々と上回る才能を開花させていく様を見ていられなかったのでしょう。

一方で猗窩座は自分より格下で実力も劣るものの自分に対抗心を隠そうともせず挑んでくる存在でした。

もしかしたら兄としての黒死牟が望んだ理想の弟は猗窩座のような存在だったのかもしれませんね。

まとめ

鬼の中でも人気の高い黒死牟と猗窩座

最終決戦でそれぞれが見せた熾烈な戦いや鬼になった過去だけでなく鬼になってからの両者の空白のやり取りを想像するのも楽しいですよね。

黒死牟と猗窩座の戦いを見てみたかったと思った人はまた次の記事でお会いしましょう。

今回は以上です。
 

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