こんにちはエンタメ考察室です。
鬼殺隊最強の剣士といえば柱ですよね。
普通の隊員とは一線を画す圧倒的な強さが印象的な柱たちです。
愛する家族の仇討ちであったり亡き親友の言葉を胸に戦っていたりと各々が抱える凄惨な過去や背負っているものの重さも魅力の一つではないでしょうか。
今回は悲しくも作中で死んでしまった柱と最後まで生き残った柱をまとめて解説していきたいと思います。
また死んだ柱は共通して人生における悲願を達成してから死んでいるのではということも考察しているので最後までお楽しみください。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶは蟲の呼吸を使う蟲柱です。
他の隊士に比べて体格に劣り鬼殺隊で唯一鬼の首が斬れない柱とされています。
その代わり藤の花から精製した毒と優れた突き技で鬼と戦っていました。
穏やかな性格をしていますが毒舌家でもあります。
特に水柱・冨岡義勇に対しては
と辛辣な台詞を吐いていましたよね。
そんなしのぶが死亡したのは上弦の弐・童磨との戦いでした。
姉の仇である童磨に怒りを露わにするしのぶです。
が死闘の末に体を取り込まれてしまいます。
しかし自らの肉体に仕込んでいた大量の毒によって童磨を大幅に弱体化させ討伐の決め手となりました。
しのぶが果たした悲願は姉から受け継いだ
という願いと姉の仇である童磨の討伐ではないでしょうか。
しのぶの姉・カナエは柱ででありながら人と鬼は仲良くなれると信じていました。
しかしカナエは願いを叶えることなく亡くなってしまいました。
カナエの死後は妹であるしのぶが鬼と仲良くなるという願いを引き継ぎます。
しかし一方でしのぶの中には大切な家族を奪った鬼に対する強い怒りも存在していました。
姉の意思を尊重したい気持ちと絶対に鬼を許せないという相反する思いはしのぶを苦しめることになります。
こうしたしのぶの葛藤は蝶屋敷での炭治郎とのやり取りでも伺えます。
自身の夢が
と語った際しのぶは炭治郎から内に秘めた怒りの感情を指摘されます。
この時しのぶは姉・カナエが鬼を哀れんでいたことや自分はそう思ってはいなかったという気持ちを吐露しました。
そして
「私が継がなければ哀れな鬼を斬らなくて済む方法があるなら」
「考え続けなければ姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やすことなく」
「だけど少し…疲れまして」
と姉の願いが負担になりつつあることを明かしています。
そんなしのぶにとって大きな転機となるのが珠世の存在です。
無惨との最終決戦に向けてしのぶは珠世と共同で薬の開発を行うことになりましたよね。
産屋敷家からの命令とはいえ鬼である珠世と協力しなければいけない状況はしのぶにとって受け入れがたいものだったのではないでしょうか。
実際単行本19巻のおまけページでは珠代に対するしのぶの像を察知した愈史郎が威嚇しています。
こうした様子から恐らくしのぶは鬼への怒りを抱いたまま仕方なく珠世に協力していたのではないでしょうか。
しかししのぶは後に
「尊敬します」
と魂を認める発言をしています。
あの人という言葉が強調されて描写されている点からもしのぶが彷徨う鬼ではなく人として扱うようになっていることがわかりますよね。
このことからしのぶは共同開発をする中で無惨討伐にかける珠世の思いや人となりを知り考えを改めたと言えるでしょう。
しのぶは薬学に通じていますので珠世の知識や技術を見て珠世がどれほどの年月と努力を犠牲にしてきたのかを理解した部分もあったのかもしれませんね。
本心から珠代を受け入れたことでしのぶは真の意味で鬼と仲良くするという姉の願いを叶えることができたのではないでしょうか。
また最終決戦では姉の仇である童磨の討伐に多大な貢献をしています。
自分の力だけで倒すことはできませんでしたが妹であるカナヲが因縁に終止符を打ってくれたことはしのぶとしても本望だったと考えられます。
カナエの仇を打てたことでしのぶ自身の悲願も果たすことができたと言えるでしょう。
姉との約束を守り自身の気持ちにもけじめをつけることができたからこそしのぶは死後の世界でカナエと笑い合うことができたのだと思います。
2.悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼さんは岩の呼吸を使う岩柱です。
現役の柱としては最年長の剣士であり鉄球と手斧を鎖でつないだ独特な形状の日輪刀を使用しています。
盲目ですが極限まで練り上げられた肉体から繰り出される熟練の技は柱の中でも最強クラスと言えるでしょう。
個性的な面々が集う柱たちを取りまとめるリーダー的な立ち位置にあります。
鬼殺隊の中ではあまり良い印象を持たれない鬼喰いをしている玄弥を弟子にしのぶに体の状態を見てもらえるよう紹介してくれるなど面倒見のよい性格をしています。
そんな悲鳴嶼さんが死亡したのは宿敵無惨との最終決戦でした。
無惨と戦う炭治郎たちに合流する形で参戦し日輪刀を赫刀に変化させて奮闘します。
倒されても諦めずに立ち上がり無惨を打ち倒すことに成功するも戦いで受けた傷が原因で他界しました。
悲鳴嶼行冥が果たした悲願は子供たちとの和解ではないでしょうか。
悲鳴嶼さんは子供を信用していません。
これは過去に子供たちに見捨てられ裏切られた経験があるからです。
鬼殺隊に入る前、悲鳴嶼さんは身寄りのない子供を寺に集め一緒に暮らしていました。
ある日寺に鬼がやってきて子供たちを襲い始めます。
子供たちはみんな悲鳴嶼さんを置き去りにして外へ飛び出していきました。
唯一残った少女・沙代だけは何としても守ろうと懸命に戦った悲鳴嶼さんですが助けに来た大人たちに沙代が行ったのはみんなあの人があの人がみんな殺した。
という裏切りとも言える言葉でした。
悲鳴嶼さんの子供というのは純粋無垢で弱くすぐ嘘をつき残酷なことを平気でする我欲の塊だという台詞はこうした過去の出来事から導き出した一つの答えなのかもしれません。
そんな悲鳴嶼さんですが子供を信用できないと思う一方で心の奥底ではそんな子供ばかりではないと信じたい気持ちがあったのではないでしょうか。
実際、悲鳴嶼さんは炭治郎に対して君は逃げず目をそらさず嘘をつかず素直でひたむきだったと評価し。
と伝えました。
そして沙代と思われる女の子と炭治郎の姿を重ね優しく頭を撫でています。
この様子から本心では子供たちを信じたいという思いがあったと推察できます。
無惨討伐後、悲鳴嶼さんは死にゆく家庭で寺の子供たちの幻影を見ます。
子供たちは悲鳴嶼さんを傷つけたことを謝罪し鬼に襲われた日の真相を語りました。
子供たちが悲鳴嶼さんを置いていったのは目の見えない悲鳴嶼さんを守るために武器を取りに行ったり人を呼びに行ったりしたためでした。
長年の誤解が解け子供たちに
と抱きしめられた悲鳴嶼さんは安らかな表情を浮かべて亡くなります。
ちなみにまるで悲鳴嶼さんが犯人かのような沙代の発言も実際は悲鳴嶼さんではなく鬼を指していった言葉ということが単行本のおまけページで明らかになっています。
つまり悲鳴嶼さんは誰にも裏切られてなどいなかったのですね。
亡くなる際の安らかな表情は子供たちとのわだかまりが解け子供を信じられるようになった安堵の表情だったのではないでしょうか。
3.煉獄杏寿郎
煉獄さんは炎の呼吸を使う柱です。
炎の呼吸を代々受け継ぐ家系に生まれ父・愼寿郎は元炎柱でした父が自暴自棄になり稽古をつけてもらえなくなってからはたった三巻しかない炎の呼吸の指南書を読み込み自力で柱まで上り詰めた努力家でもあります。
どんな境遇でも歪まない健全な精神の持ち主でありとても前向きな性格をしています。
誰とでも話すことができ曲者揃いの柱たちからも軒並み好かれていたようです。
そんな煉獄さんが死亡したのは上弦の参・猗窩座との戦いでした。
下弦の壱・魘夢の手から無限列車を守り抜いた直後突如として現れた猗窩座と対峙します。
胴体を貫かれながらも最後まで猗窩座の頸を切り落とそうと死力を尽くしました。
頸を落とすことはできなかったものの日の出まで猗窩座を食い止め撤退させることに成功しています。
柱としての矜持を見せつけ鬼殺隊の未来を炭治郎たちに託して他界しました。
煉獄さんが果たした悲願は母の教えを守って弱きものの命を助けたことではないでしょうか。
煉獄さんの行動の根本には亡き母・瑠火の教えがあります。
瑠火は幼い煉獄さんに
「弱気人を助けることは強く生まれたものの責務です」
と教え続けていました。
病弱だった瑠火はあとは頼みます。
と煉獄さんに告げこの世を去りました。
こうした背景から煉獄さんの名台詞である。
俺は俺の責務を全うする悪化の教えから来ているものと考えられます。
無限列車編では乗客200人が人質に取られたにもかかわらず1人の犠牲者もなく守り切っています。
また前日であるアニメ版無限列車編の第1話では鬼に狙われた弁当屋のお婆さんとその孫を守るために奔走していた事実も明かされました。
鬼の強さを被害者の数などで判断せずどんな時も自らが矢面に立って鬼と戦う姿からいかに煉獄さんが母親の教えを重要していたかが分かりますよね。
どんな状況でも辛い様子を見せないのも煉獄さんにとっては弱者のために戦うことが当たり前だからなのかもしれません。
上弦の参・猗窩座から炭治郎たちを守り切った煉獄さんは死の間際に瑠火の幻影と出会います。
煉獄さんの
やるべきこと果たすべきことを全うできましたかという問いかけに対し瑠火は穏やかな笑みで
と伝えました。
母親に認められた煉獄さんは満面の笑みを浮かべてこの世を去りました。
瑠火の言葉を胸に戦い続けてきた煉獄さんですので瑠火に褒められたことは何よりも嬉しく心が満たされたのではないでしょうか。
4.時透無一郎
無一郎は霞の呼吸を使う霞柱です。
始まりの呼吸の剣士を輩出した継国家の子孫とされ刀を握ってわずか二カ月で柱に昇格した天才剣士です。
初登場時は何事にも無関心で同様とした性格をしていました。
しかし後ほど解説する過去の記憶を取り戻した後は優しさと毒舌な側面を合わせ持つ表情豊かな人物へと変化しています。
そんな無一郎が死亡したのは上弦の壱・黒死牟との戦いでした。
独自の技である朧を放つも傷一つ与えることができず腕を切り落とされるという劣勢から始まった黒死牟との戦いでが不死川兄弟、悲鳴嶼さんと連携しながら一進一退の激闘を繰り広げていきます。
大量の出血によって自身の指揮を悟った無一郎は致命傷を負いながらも黒死牟の体に刀を突き立て討伐に貢献します。
しかし胴体を両断されていたため死亡しました。
無一郎が果たした人生の悲願は兄・有一郎との記憶を取り戻し自分が生まれてきた意味を見出したことではないでしょうか。
当初無一郎には過去の記憶がありませんでした。
これは幼少期に鬼に襲われ双子の兄である有一郎を失ったショックが原因です。
記憶がない頃の無一郎は何事にも無関心で他人の気持ちを察することができませんでした。
刀鍛冶の里では子供である小鉄に対し
「刀鍛冶は戦えない人の命を救えない武器を作るしか脳がないから」
と冷ややかな物言いをしていましたよね。
こうしたきつい性格は無意識のうちにあり有一郎の言動をなぞっていたからだと考えられます。
加えて記憶のない無一郎は自分が何のために戦っているのかが分かりませんでした。
なんとなくまさに霞がかかったように動機が不明瞭なまま漠然とした気持ちで鬼と戦っていたものと思われます。
しかし上弦の伍・玉壺との戦いで記憶を取り戻し兄を殺した鬼への強い怒りを思い出しました。
無一郎自身が
と言っているように戦う意味を見出した無一郎は圧倒的な力で玉壺を討伐しています。
また本来の優しい心を取り戻したことで仲間を思う気持ちも芽生えました。
上弦の壱・黒死牟との戦いでは立ち会ってすぐに腕を切られ重傷を負ってしまいます。
自身の死を悟った無一郎はまだ生きて戦える人の負担を少しでも減らせ死ぬなら役に立ってから死ぬ。
と自らを鼓舞しています。
さらに同じく深手を追いながらも最後まで戦いたいと訴える玄弥には一緒に最後まで戦おうと声をかけています。
記憶が戻ったことで亡くなる寸前まで迷いなく仲間のために行動できたのではないでしょうか。
命を賭して黒死牟討伐に貢献した無一郎は死後の世界であり有一郎と再会します。
「無駄死にだこんなんじゃ何のために生まれたのかわからないじゃないか」
と怒る有一郎に対し無一郎は
「僕は幸せになるために生まれてきたんだ」
と告げました。
14年という短すぎる人生ではありましたが無一郎はその中で懸命に生き悔いのない人生を歩むことができたと断言しています。
加えて仲間のために命をかけて死んだ点も含めて自らの人生を幸せだったと語っています。
こうした台詞は記憶を失い全てに無関心だった頃の無一郎からは決して出ない言葉だったと言えるでしょう。
5.甘露寺蜜璃
甘露寺は恋の呼吸を使う恋柱です。
極めて薄く淡いリボンのような形状の日輪刀を扱い柔軟性と関節の可動域の広さも相まって柱の中でも屈指の攻撃速度を持っています。
事あるごとに異性にキュンとしてしまう年頃の女の子で常に明るく笑顔の絶えない性格をしています。
他人に対する偏見がなく鬼である禰豆子に対しても有効的に接しスキンシップを図っていましたよね。
そんな甘露寺が死亡したのは無惨との最終決戦でした。
ギリギリの状態が続く中、無惨の攻撃によって左方向から肩にかけてと左脇腹を大きく抉られ戦線離脱を余儀なくされます。
これ以上の戦いは無理かと思われましたが最後の力を振り絞って無惨の両腕を引きちぎり日の出までの時間を大きく稼ぎました。
無惨討伐後、抉られた傷が致命傷となり伊黒小芭内に抱きしめられながら他界しました。
甘露寺が果たした悲願はありのままの自分を見てくれる素敵な殿方を見つけられたことではないでしょうか。
刀鍛冶の里で炭治郎に鬼殺隊に入った理由を聞かれた甘露寺は
と語っています。
さらに
「女の子なら守ってほしいもの」
と言っていましたよね。
甘露寺は人の8倍の筋肉密度を持つ特殊体質でした。
さらに相撲取り3人よりも食欲が旺盛であり大好物の桜餅を食べ過ぎた結果、髪の色がピンクに変わってしまいました。
こうした個性的な部分が原因でお見合いが破談になった過去があります。
その際
「そのおかしな髪の色も子供に遺伝したらと思うとゾッとします」
とかなり辛辣な言葉を投げつけられています。
この出来事がトラウマとなった甘露寺は髪を黒く染めたり食欲を我慢したりして自分を偽りながら生活していました。
しかし一方で
「私のこと好きになってくれる人はいないの?」
と自分を偽りながら生きていくことに疑問を抱き続けていました。
そんな蜜璃が出会ったのが蛇柱・伊黒小芭内です。
靴下をプレゼントしてもらったり文通をしていたりと鬼殺隊の中でも伊黒とは特に親密な間柄だったようです。
それは伊黒がありのままの甘露寺を見てくれたからではないでしょうか。
124話の扉絵では山盛りの丼を食べる甘露寺を優しく見守る伊黒の姿が描かれています。
公式ファンブック・弐によれば本来伊黒は食事をするのが面倒であまり好きではなかったそうです。
しかし甘露寺が美味しそうにパクパク食べているところを見ていると幸せな気持ちになっていたようです。
こうした様子からも伊黒が甘露寺を色眼鏡で見ていないことがわかりますよね。
自分を特別視しない伊黒は甘露寺にとってまさに理想の人物だったのかもしれません。
無惨討伐後、死期を悟った2人はお互いに思いを告げ生まれ変わったら結婚する約束を交わしました。
この瞬間甘露寺の悲願は果たされたのだと思います。
大好きな人が自分を自分見てくれる幸せを感じた甘露寺は演歌でこの世を去りました。
ちなみに最終話には現代に転生したと思われる二人が夫婦として登場しています。
死の間際に交わした約束が成就し甘露寺の願いは真の意味で叶ったのかもしれませんね。
6.伊黒小芭内
伊黒は蛇の呼吸を使う蛇柱です。
右目はほとんど視力がなくそれを補うように蛇の鏑丸が補助をしています。
伊黒の日輪刀はうねりを帯びた形状をしておりまるで滑り込むように切りつける独特の立ち筋を持っています。
ネチネチと小言を囁く陰湿な側面が目立ちますが好きな女性に対しては一途だったり仲間を気遣う一面があったりと意外と好青年だと言えるでしょう。
そんな伊黒が死亡したのは無惨との最終決戦でした。
無一郎が赫刀を発現したという情報から推察し万力の握力によって自身も赫刀の発現に成功します。
さらに痣や透き通る世界にも覚醒して無惨と渡り合いますが攻撃を受けて失明します。
愈史郎の血鬼術によって鏑丸と視界を共有することで最後まで戦い抜きました。
無惨を壁際に縫い止めた炭治郎を庇い左半身に重傷を負っています。
無惨討伐後は甘露寺と抱き合いながらこの世を去りました。
伊黒が果たした悲願は自身の汚れた血を浄化し甘露寺に想いを伝えたことではないでしょうか。
伊黒は幼少期の出来事から自分の血を汚れたものと認識していました。
伊黒が生まれ育った家は鬼に支配されており鬼が殺した人から奪った金品で生活していました。
女性ばかりが生まれる家で伊黒は家を支配する鬼に食べられるために育てられ太らせるために毎日大量の食事を与えられます。
当時の炎柱によって救出された伊黒ですが生き残ったいとこからは
五十人死んだわ
あんたが殺したのよ
生贄のくせに!!
大人しく喰われてりゃ良かったのに!!」
と罵詈雑言を浴びせられます。
こうした経験もあり伊黒は女性そのものが苦手でした。
しかし鬼殺隊で甘露寺と出会った時にその明るさや素直さ優しさに心惹かれます。
一方で汚れた血族である自分は甘露寺とは釣り合わないとも考えていました。
最終決戦の際、伊黒は
「鬼のいない世界でもう一度人間に生まれ変われたら今度は必ず君に好きだと伝える」
と独白しています。
伊黒にとって甘露寺は過去のトラウマを払拭し心の闇を晴らしてくれた太陽のような存在だったと言えます。
きっと伊黒は汚れた自分が近くにいることで純粋な甘露寺までも汚し不幸にしてしまうかも知れないと考えていたのではないでしょうか。
だからこそ甘露寺への行為を自覚していながらも想いを伝えられなかったのだと思います。
無惨討伐を果たした後致命傷を負った伊黒は
「まるで自分も普通の青年になれたようで幸せだった」
と秘めていた思いを打ち明けます。
甘露寺に
と聞かれた伊黒は
と告げ来世で結ばれる約束を交わして他界しました。
伊黒がそう考えていたように甘露寺もまた生まれ変わったら今度こそ結ばれたいと感じていたことからいかに二人の心が通じ合っていたのかが分かりますよね。
204話の扉絵ではあの世へ向かうであろう柱たちの姿が描かれています。
伊黒の顔は見えませんが隣を歩く甘露寺が楽しそうに笑っていることからおそらく伊黒も穏やかな表情を向けているのではないでしょうか。
きっと伊黒は甘露寺の隣にいても良いと自分自身を許すことができたのだと思います。
7.不死川実弥
風の呼吸を使う風柱です。
柱の中でも上位の実力を持つとされ鬼を惑わす「稀血」を持っています。
公式ファンブック・弐によれば大切な人を守るためなら自分が死んでも嫌われても悪者になって追放されても構わないという童話「泣いた赤鬼」に登場する青鬼を地で行くタイプのようです。
無惨との最終決戦では悲鳴嶼さんとともに炭治郎たちに合流する形で参戦しました。
弟・玄弥を失った怒りと悲しみを無惨にぶつけます。
義勇と刀をぶつけ合うことで刀身を赤く染め無惨を倒す光明を見出しました。
実弥は黒死牟との戦いで右手の指を切断され腹部を大きく切り裂かれています。
常人ならば無惨との戦いに臨んだ時点で既にまともに戦える状態ではありませんよね。
実弥は弟・玄弥を守るという誓いを果たすことができませんでした。
しかしだからこそ実弥には最後まで生き延びたのではないでしょうか。
実弥は鬼化した母親によって玄弥以外の兄弟を殺されています。
さらに鬼殺隊に入って親友となった粂野匡近も詐欺が柱に昇格するきっかけとなった任務でなくしています。
実にとって母親も匡近も優しく愛情深い人物でした。
そんな二人と同じように優しい心を持った玄弥だけは幸せな生活を送ってほしかったのでしょう。
小説・風の道しるべでは
「実弥にとって唯一の幸福であり願いであり生きる意味であるからだ」
と述べられており加えて
「絶対に鬼狩りなんじゃ続けさせねェ」
と語っています。
鬼殺隊に入った玄弥に辛く当たっていたのは玄弥を危険にさらしたくはなかったからでした。
しかし実弥にはそれほど大切に想っていた玄弥を上弦の壱・黒死牟との戦いで失ってしまいます。
結果的に無惨討伐を成し遂げ平和な世界を手に入れた実弥ですが平和な世界で幸せに暮らして欲しかった弟は思いません。
実弥の気持ちを考えると生きる希望を見失っていてもおかしくはありませんよねそれでも實美が生きようと思えたのはそれが玄弥の願いだったからではないでしょうか。
玄弥は死の間際辛い思いをたくさんした兄ちゃんは幸せになってほしい死なないで欲しいと言っていました。
この言葉があったからこそ実には弟のいない世界でも自暴自棄にならなかったのだと思います。
公式ファンブック・弐では炭治郎が度々手紙を送っていることが明かされています。
また仲間である天元や義勇もいます。
ので彼らとの交流を経て実にが前を向いて生きていけたら良いですよね。
8.冨岡義勇
義勇は水の呼吸を使う水柱です。
炭治郎と禰豆子が初めて出会った鬼殺隊士であり2人を鱗滝さんのもとへと誘導した人物でもあります。
その後も事あるごとに炭治郎たちを気にかけており炭治郎にとっては頼れる兄のような存在と言えるでしょう。
寡黙で表情が乏しいため誤解されやすい性格をしています。
無惨との最終決戦では片腕を失いながらも日の出までの時間を稼ぐために尽力しました。
日の出直前同じく片腕を失った炭治郎とともに刀に力を込めて格闘を発言させ見事、無惨に火の光を浴びせることに成功します。
義勇は錆兎と蔦子に命をつないでもらったことが生き延びた大きな理由となったのではないでしょうか。
義勇は過去の出来事から自分は死んだ方が良かったと感じていました。
義勇の姉・蔦子は幼い理由を鬼から書くまい身代わりになるように殺されています。
蔦子は翌日に結婚式を控えており幸せを掴む直前にこの世を去ったと言えます。
このことからおそらく議員は自分が姉の幸せを奪ったと感じていたのでしょうそんな理由に対し親友の錆びとは平手打ちをして叱りつけます。
錆兎は続けて翌日に祝言を上げる予定だったお前の姉もそんなことは承知の上で鬼からお前を隠して守っているんだ他の誰でもないお前がお前の姉を冒涜するなと姉の思いと覚悟を否定してはいけないと伝えました。
そして
「姉が命をかけて繋いでくれた命を託された未来をお前がつなぐんだ義勇」
と告げます。
との言葉を受け理由は2人にもらった命を生き続けなければならないと感じたのではないでしょうか。
上弦の参・猗窩座との戦いで炭治郎が気絶した際には炭治郎を殺したければまず俺を倒せと叫びます。
そして炭治郎は俺が守る自分がそうしてもらったようにとかつて大切な人たちにつないでもらった命を炭治郎に繋げようとしていることを明らかにします。
たとえそれで自分が死んだとしても炭治郎に繋げることができれば本望だと考えていたのでしょう。
しかし実際は錆兎と蔦子に守られた命を失わないことが理由を助けた二人の願いだったはずです。
命をつなぐとは誰かの代わりに死ぬことではなく自身を救ってくれた人のためにも息抜き別の誰かに返すということではないでしょうか。
義勇自身もそれが分かったからこそ平和な世界で自分の人生を歩始めたのだと思います。
9.宇髄天元
天元は音の呼吸を使う音柱です。
元忍びという異色の経歴の持ち主でありながら「派手」が口癖という個性の強い人物です。
派手好きながら冷静に状況を見極め的確な判断で任務に臨むなど忍びとしての心得を十分に発揮して戦果を上げていました。
上弦の陸・妓夫太郎との戦いでは左目と左手を失ったものの炭治郎たちかまぼこ隊や自身の妻たちと協力して上弦討伐を成し遂げました。
天元は3人の妻との約束を果たすために生き延びる道を選択したのではないでしょうか。
しのぶびの家系に生まれた権限は幼い頃から非人道的とも言える過酷な修行を受けて育ちました。
あまりの過酷さから9人兄弟のうち3人が修行で死亡。
残りの6人も父親の命令によって強大同士で殺し合いをさせられています。
しかも殺し合いの際には覆面をさせられ互いに兄弟だとわからないまま戦わされていました。
父親の策略に気づいた天元ですがその時にはすでに兄弟を2人殺してしまっていました。
この出来事がきっかけとなり天元は雛鶴・須磨・まきをの三人の妻を連れて里を抜けることになります。
兄弟をその手にかけた過去から天元はたびたび
と口にしていたようです。
しかし雛鶴に泣かれ、須磨に噛まれ、まきをに怒られてからは言わなくなりました。
天元は妻たちに
「まずお前ら三人」
「次に堅気の人間たち」
「そして俺だ」
と語っています。
他者の意思を尊重せず命を使い捨ての消耗品のように扱う父親とは真逆の道を行くという強いを感じますよね。
このように天元にとって三人の妻は何よりも優先するほど大切な存在と言えます。
それほど天元にとって妻たちが生きる希望となっているからではないでしょうか。
兄弟を手にかけた自責の念に駆られていた天元が
とドヤ顔で言えるほどに立ち直ることができたのはきっと妻たちが支えてくれたからだと考えられます。
鬼殺隊に入った後、雛鶴は天元に対して
と提案しました。
雛鶴は忍びとして生きてきた業を払うためのけじめという言い方をしていましたが本心では天元に死んでほしくないという思いがあったのではないでしょうか。
先ほども解説したように天元は妻たちを最優先で守ろうとする一方で自身の命を軽んじている傾向にあります。
妻たちからして見ればいくら自分たちを守るためとはいえ天元が死んでしまっては悲しすぎますよね。
そこで鬼殺隊そのものを引退し平穏な生活を送ろうと提案したのだと思います。
実際に上弦の陸・妓夫太郎とだけを倒した天元は現役を退いています。
もちろん片目と片腕の欠損が大きな理由ではありますが柱を辞めても鬼狩りは続けられますよね。
しかしそれをせずに引退を即決したのは雛鶴との約束があったからではないでしょうか。
自分を思う妻の気持ちを汲み取った結果更新に無惨討伐の願いを託して生き延びる道を選んだのだと考えられます。
とはいえ柱稽古や最終決戦時の本部の護衛など鬼殺隊への忠義をしっかり果たしているところは何とも天元らしいですよね。
無惨討伐後は三人の妻たちと仲良く温泉に出かけるなどし平和で幸せな生活を送っているようです。
無惨討伐のために自らの命をかけて戦い続けてきた柱たち鬼神のごとき強さを見せる柱たちですがその背景には大切な人への思いがありました。
家族や友人など大切な誰かのために戦っているという点では柱も一般隊士も同じ志のもと戦っていたと言えるでしょう。
まとめ
誰もほんとは死んで欲しくなかった。
義勇が笑顔になっていて嬉しいと思った人はまた次の記事でお会いしましょう。
今回は以上です。
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