こんにちはエンタメ考察室です。
すべての鬼の始祖であり炭治郎をはじめ鬼殺隊士達の憎くき宿敵・鬼舞辻無惨。
彼の犠牲になった人は数知れず炭治郎の家族を殺し唯一生き残った妹の禰豆子を鬼にした張本人です。
という発言やたとえ部下であっても意にそぐわないものは容赦なく殺してしまうなど傲慢で冷徹な性格が伺える場面が多いです。
その非情な振る舞いでたくさんの鬼たちを支配し頂点に君臨しています。
絶対的最強の鬼という印象が強い無惨ですが物語が進み鬼殺隊の手が自分の元に迫ってくるにつれて怒りや焦りをあらわにしていきましたよね。
今回はそんな鬼舞辻無惨の性格や強さについて解説したいと思います。
また最終決戦終盤で涙を流した無惨の心情についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.鬼舞辻無惨
作中での言動や行動からわかる無惨の性格は冷酷・独善的・支配的・高圧的なところが目立ちます。
敵味方関係なく自分の気に入らないことは決して許さず相手の懇願も無視して殺してしまうところも恐ろしいですよね。
なぜこれほどまでに冷徹な鬼となってしまったのかを考察したいと思います。
鬼となった無惨は千年以上も生きながらえているにも関わるまず見た目は若々しいままです。
初めて無惨と対面した産屋敷あまねは20代に見えると言っています。
しかし元は平安時代の生まれで出生時には死産と思われるほど生命力が弱い赤ん坊でした。
そのまま火葬される直前に鳴き声を上げたことでなんとか一命を取り留めています。
その後も虚弱体質は改善されず常に病床に伏しており自由に動けない自分や効果の表れない医者の治療に苛立っていました。
無惨が時折見せる強さと生への異常なまでの執着はこの経験が基になっているのでしょう。
浅草では酔っ払い3人組に絡まれ顔が青白いとからかわれたことにひどく立腹し3人とも殺してしまいました。
しかし本当に強く自信に満ちていればこのような酔っ払いの絡みなど相手にしない余裕があるのではないでしょうか。
しかし無惨は鬼でも鬼殺隊でもない一般人の些細な言葉すら許せず怯えさせながら殺しています。
と自分にも相手にも言い聞かせるように言っていましたよね。
弱い自分への強い否定早く完璧な存在にならなければという焦りや余裕の無さが伺えます。
無惨をよく知る珠世にも
「いつも何かに怯えている」
と言われその内面の脆さを見抜かれていました。
人間だった頃にも治療が進まない現状に苛立ちが高じ担当の主人を殺しています。
怒りに任せて刹那的・衝動的に人を殺傷する危うさはこの頃から健在だったのかもしれません。
しかしそれは生き永らえたいと切に願うからこそであり実はすごく人間くさい一面があるのではないかと思います。
実は無惨は過去に5人妻がいたことがあると公式ファンブックにて明らかになりました。
容姿端麗な青年なので縁談には不自由しなかったのでしょう。
しかし妻たちは全員無惨の毒舌で追い込まれ自殺しています。
ワニ先生によれば人間的感性の持ち合わせがないため共感能力が著しく欠如しており人間というより昆虫に近いのだそうです。
さらに洞察力と語彙力に長けているので人の弱みを見抜きそこを容赦なく突いてしまうのでしょう。
趣味は輸入物や外国語、新しい機械などを学ぶことだということからも知的好奇心が高くそれらを理解する知性も備えていることが伺えます。
知性と人心掌握に長けていたからこそ鬼たちがあれほど服従するのではないかと思います。
恐怖で無惨に服従するものもいましたが堕姫、朱紗丸、矢琶羽など憧れや崇拝の気持ちを持つ部下もいましたよね。
方向性や使い方はともかくカリスマ性は間違いなくあると言えます。
2.青い彼岸花
青い彼岸花を探していた方法について考察していきます。
限りなく完璧に近い存在である無惨の唯一ともいえる弱点が太陽の光です。
太陽光に当たると体が焼けて崩壊し消滅してしまいます。
そのため無惨は日中は活動することができません。
あまたに増やした無惨の血と細胞を持つ鬼たちもこの弱点を引き継いでいます。
このことを無惨は大変忌々しく思っており千年以上もの間太陽の克服に執念を燃やしてきました。
そして対応の克服の鍵となるのが青い彼岸花でした。
この青い彼岸花を求めて無惨は様々な手段で捜索にあたっています。
下弦の鬼たちが恐れをなした精度の高い擬態もこのために使っていたようです。
無惨は作中で様々な姿に変装していますよね。
その一つが裕福な夫婦に引き取られた幼い少年・俊國です。
公式ファンブックによると太陽を克服する薬を作る場所の確保のために使っていた姿だそうです。
利発な少年という設定で夫婦に気に入られ養子として立派な部屋を与えられていましたよね。
皮膚の病と称して外に出ない理由を取り繕っていました。
上弦の参・猗窩座が報告に訪れた際も部屋に引きこもり書物を調べていました。
落ち着いて調べ物や実験をするためにこのような手段をとっていたのでしょう。
もう一つは美しく妖艶な芸妓の女性です。
公式ファンブックにて青い彼岸花を捜索する際の姿だと明かされました。
芸妓は宴席で舞踊を披露したり歓談して客をもてなすので様々な人間に接することができます。
客の懐に入り込み情報収集をするのに利用していたのではないかとす推測できます。
または裕福な客層を物色し後述する男性の姿としてなり替わるターゲットを物色していたのかもしれません。
下弦の伍・累が殺された後に行われたパワハラ会議ではこの姿で現れました。
累が殺されたことに腹を立てた幻の鬼たちを次々と容赦なく粛清していく過程がとても残酷でしたよね。
下弦の鬼ですら初見では
と言っており声を聞くまで無惨だと気付かないほどの精度で女性になりきっていました。
最後に成人男性の姿です。
芸妓の姿では無理な場所の捜索、資金確保のための姿だそうです。
無惨本来の姿に最も近いのではないでしょうか。
また実在の人間を喰らってその人の姿に擬態しなり変わることも可能だそうです。
資産家の男性の姿になることで必要な資金を調達していたといいます。
浅草では月彦という青年実業家の姿になっていました。
月彦には麗さんという妻と娘がいました。
麗さんと娘は人間なのでもしかしたら月彦は実在の人物で無惨が殺してなり替わっていた可能性もあります。
浅草にいたのは青い彼岸花を知る医者が東京に住んでいたためだそうです。
その周辺を探していたところに炭治郎と偶然に遭遇したのでした。
ちなみにこのとき炭治郎が任務で探していた鬼とは実は珠世と愈史郎のことでもし無惨と遭遇していなかったら炭治郎は珠世たちと相対することになっていました。
3.血鬼術
最大の敵である無惨の強さや血鬼術について考察したいと思います。
前述の通り無惨は攻撃した人間に血を分け与えることで鬼化させ鬼を増やすことができます。
上弦の鬼も同じことができますが無惨の許可なくはできないため気分次第で鬼を増やせるのは無惨だけの特権と言えるでしょう。
またすでに鬼となった者に対し追加で血を与えることで強化することも可能です。
鬼たちの考えや居場所を把握できるため支配して自分の思い通りに動かすことができます。
無惨は7つの心臓と5つの脳を持っておりしかもこれらは常に移動しています。
鬼の弱点である頸を克服しており頸を切っても倒せません。
倒すにはすべての心臓と脳を破壊する必要があります。
再生速度も以上に早く斬った瞬間から再生します。
普通に日輪刀で切断してもその瞬間から再生するので意味がありません。
「斬れていない!?」
というように見え精神的なダメージも大きいでしょう。
血鬼術として技名が判明しているものでは
「黒血枳棘」という身体から有刺鉄線のようなものを出す術があります。
黒血とは腐敗して黒ずんだ血という意味があります。
なのでこの棘はもしかしたら何年も生き永らえ人ではなくなった無惨後から出来ている可能性もあります。
攻撃範囲が広くその棘で敵を傷つけながら捕捉するのではないでしょうか。
珠世はこの血鬼術をかいくぐり最終決戦では自分の腕を吸収させ無惨の身体に人間に戻す薬を直接吸収させていました。
神経系を狂わす衝撃波を放つこともありこれを喰らうと痙攣が止まらず体を動かすことも呼吸をすることもできなくなります。
炭治郎はこれをくらい慌てふためいていました。
そして手足には牙のついた口があります。
この吸引力が凄まじく攻撃を避けたと思っても吸い込みで体勢を崩され引き寄せられることで攻撃の餌食になってしまいます。
恋柱の甘露寺はこれで致命的な大怪我を負わされました。
そして背中や足から超高速の触手のようなものを何本を出して攻撃してきます。
目で追うことも困難な速度であり威力も規格外です。
鬼作隊が攻撃しても攻撃しても直ぐに再生し多岐に渡る手段で追い込んでくる無惨は最終の敵にふさわしい強さと言えるでしょう。
4.無惨が涙した理由
無惨の最大の目的は
「強いまま生き永らえること」
です。
その執着は凄まじく最強かつ唯一の鬼であり続けたいという願望の強さがわかります。
目的達成のためには太陽光の克服が不可欠でしたが志半ばで戦いに敗れてしまいました。
もう自分の力では成し遂げられないと悟ったのか炭治郎に想いの全てを託すと言っています。
なぜ他でもない炭治郎に託そうと考えたのでしょうか。
それは縁壱と同じ日の呼吸の使い手であり太陽光を克服した禰豆子の兄である炭治郎なら太陽光でも死なない存在になれるはずと考えたのではないかと思います。
その炭治郎を自分の代わりに最強の鬼として最後の力を振り絞って鬼化させ自分の分身にしたのでしょう。
自分の分身が不死の鬼になることで野望の達成を試みたとともに戦いにおける敗北をもなかったことにしたかったのではないでしょうか。
誇りの高い無惨は自分の野望が潰えることや人間に敗北した事実を認めることがどうしてもできなかったと思われます。
んそうした心理に基づいた最後の必死の悪あがきだったのではないでしょうか。
その際無惨は
「永遠なのだ」
「私はこの子供に想いの全てを託すことにする」
という台詞と共に涙を流しています。
これまで散々人の想いを踏みにじりくだらないと一笑に付していました。
しかし自身の命の危機に瀕すると永遠の命を得たいという自分の
であるかのように自分の都合のいいように解釈を変えたように見えます。
今まで軽んじていた「想い」というものがとてもかけがえのないものだったことに気付くという意味では価値観が大きく変わった瞬間でありその感動で涙が出たのかもしれません。
しかしあくまでその内容は身勝手であり自分がこれまで他人にしてきた周知への後悔や懺悔は一切ないのが無惨らしいと言えます。
何としても自分の代わりに炭治郎を最強の鬼にしたかった無惨に対し満身創痍の炭治郎はなぜ対抗することができたのでしょうか。
それはやはり「人への想い」が関係していると思います。
無惨は自分を唯一絶対の最強の存在とし人間はもちろん忠実に自分に使える鬼たちにすら無慈悲に接していました。
死ぬ間際になっても改心することなくあくまで自分の考えや願望を貫き通しています。
家族や仲間という概念そのものが理解できないためか炭治郎と二人の心象風景の中でも無惨のもとには部下だった鬼たちは一切登場しません。
意識を取り戻し人間として生きたいという炭治郎に
「死んだ家族や仲間が許さない」
などと唆しています。
その言葉を制するように亡くなった家族たちや柱の手が炭治郎を元の人間の世界へ導き炭治郎が人間としての自我を取り戻すきっかけになってくれました。
これはずっと自分のことよりも人のことを考え大切にしてきた炭治郎の想いが結実したものではないでしょう。
亡くなった後もなお助けてくれる仲間がたくさんいたから無惨に打ち勝つことができたのだと思います。
無惨は皮肉にも自分が最も軽んじ踏みにじってきた「人の想い」に負けたことになります。
最強の敵だった無惨も最後は炭治郎に
「私を置いていくな!!」
と必死にすがり引き留めていました。
冷徹な最終の敵からなりふり構わない無様ともいえる感情的な一面を見せました。
無惨の中にわずかに残っていた人間らしい情念が死ぬを間際によみがえったのかもしれません。
最後まで生への執着を見せ続けた無惨でした。
彼がこうなってしまったのは出生時からの虚弱体質による思うように体が動かせないことへのもどかしさ強い肉体への渇望が大きかったのでしょう。
圧倒的強さを極めることは孤独にもつながります。
誰にも負けない最強の存在でありたいという想いが高じて周囲を寄せ付けない強さ冷徹さに繋がったのではないかと思います。
部下をも信頼せず鬼たちが自分を攻撃しないよう支配していたのも珠世が指摘した臆病さの裏返しと言えるでしょう。
鬼滅の刃における最強の敵である鬼舞辻無惨。
その圧倒的な強さもさることながら自分勝手さや理不尽さに満ちた強烈な台詞も多くまさに王道の敵ですよね。
珠世やお館様のような冷静で頭のいい人物に図星をつかれたり耳に痛いことを指摘されるとあからさまに取り乱すこともあり随所に脆さが見えます。
そうした危うさが怒った無惨が何をするか分からないという読者の緊張感に繋がりより目を離せない魅力的な物語になっているのではないかと思います。
敵の鬼の中で一番無惨が好き!
無惨はなんだか憎みきれないと思った人はまた次の記事でお会いしましょう。
今回は以上です。
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