鬼滅の刃

【鬼滅の刃】なぜ善良な医者は無惨を鬼にしたのか?青い彼岸花の隠された効果を考察!

2023年11月1日

『鬼滅の刃』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 

質問者
なぜ善良な医者は無惨を鬼にしたのか教えてください。

 

こんにちはエンタメ考察室です。

鬼の始祖・鬼舞辻無惨が完全な存在となるために追い求めていたものと言えば「青い彼岸花」ですよね。

無惨を鬼に変えた原因と言われていたり太陽を克服するために必要とされていたりと具体的にどのような効果があるものなのかが分かりません。

作中では断片的な情報しか明かされておらず作品全体を通して一番、気になるの謎の一つと言えるのではないでしょうか。

今回はそんな青い彼岸花や善良な医者について解説していきたいと思います。

また青い彼岸花の隠された後悔や無惨を鬼にした本当の理由についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。

善良な医者はなぜ無惨を鬼にしたのでしょうか。

 
 
 

※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

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1.善良な医者

善良な医者とは平安時代に人間だった鬼舞辻無惨を鬼へと変えた男性です。

生まれつき病弱で20歳まで生きられないと言われていた無惨を直すために尽力していました。

無惨を少しでも生き永らえさせるために苦心していましたが治療の甲斐なく病状が悪化していくことに腹を立てた無惨によって殺害されています。

医者の死後無惨は処方された薬が効いていることに気づきました。

自身を苦しめていた病から解放された無惨ですが代わりに日光のもとを歩けず人を喰らう鬼の特性を得ることになります。

昼間の行動を制限されることは無惨にとって屈辱であり怒りを感じるものでした。

太陽を克服する方法を求めて医者の残した薬の調合を調べるも試作段階だったせいか調合方法までは分かりませんでした。

青い彼岸花と呼ばれるそのには実際に青色の彼岸花が材料として使われていたそうですがその所在を知るのはなくなった医者だけだったようです。

以降無惨は青い彼岸花を見つけ出すために配下の鬼を次々と生み出すことになります。

結果だけを見れば鬼の思想、この世に生み出してしまった戦犯とも言える医者ですが作中で善良な医者と明言されているように恐らくは本心から無惨を救おうと努力していたのではないでしょうか。

無惨の体を鬼に変えたのも医者の中では人間の体に戻せる算段があったのだと思います。

もし無惨が短気を起こして殺害などしなければこの世に鬼は生まれなかったのかも知れません。

結局無惨は青い彼岸花を見つけることができませんでした。

作中では無惨の死後である現代編で初めて詳細が語られます。

嘴平伊之助と神崎アオイの子孫で植物学者の嘴平青葉によって発見・研究されていたもののうっかりした時の過誤が原因で全て枯らしてしまいました。

単純に青葉がありえない失態をした可能性は高いですが「青い彼岸花」そのものの繊細さも枯れた要因の一つと言えるでしょう。

青い彼岸花は毎年咲くわけではなく仮に咲いたとしても年に数日かつ昼間だけでした。

花には未発見の成分が含まれており海外の研究者たちからも高い注目を浴びていたようですね。

青い彼岸花の捜索に関して無惨は配下の鬼に支持するだけでなく時には稽古や資産家に擬態して自ら情報収集を行っていたようです。

また同時に太陽を克服する鬼を作り出すために人間を鬼に変え続けてもいました。

結果的に禰豆子という太陽を克服する鬼は生まれたもののそこに至るまでに千年以上もの時間を要しています。

仮に現存するかもわからない青い彼岸花の捜索は配下に任せ無惨は自身にしかできない研究や手法に専念していたのならもっと早く太陽を克服する鬼が生まれていたかも知れませんよね。

作中で無惨以外で青い彼岸花を探していた鬼といえば猗窩座です。

無限列車編で猗窩座が炭治郎らのもとに現れたのはたまたま近隣で青い彼岸花の捜索を命じられており様子を見に行くよう命令されたからでした。

鬼滅愛好家の間では無限列車は東京から大阪方面に向かう列車だったのではないかと言われています。

これは本作の時代背景である大正初期に実在した路線や当時の時刻表などから推察された説です。

また炭治郎らが無限列車に乗る前に鎹鴉かすがいがらす

「西へ迎え」

と指令を出している点も理由の一つと考えられています。

仮に無限列車が大阪方面に向かう夜行列車だった場合炭治郎が上弦の参・猗窩座と対峙した場所は東京から大阪の間くらいということになりますよね。

さらに言えば猗窩座が出現した時点で日の出が近かった点からどちらかといえば大阪よりと言えるでしょう。

公式ファンブック・弐には青い彼岸花を使った医者が住んでいた場所が東京なので無惨はその周囲を血眼ちまなこで探していたと記載されています。

つまり無惨は青い彼岸花が東京にあると考えていたのにも関わらずなぜか猗窩座に遠方を探すよう指示していたのです。

東京に目星をつけているのならばまずは総員で東京を探し尽くしそれから遠方を探すのが自然ではないでしょうか。

さらに言えば猗窩座は鬼の中でも上位に位置する上弦の鬼です。

名もなき雑魚鬼に青い彼岸花を発見できる確率の低い場所をあてがうのはまだ理解できます。

鬼の中でも無惨に実力を認められた上弦の鬼が適当な場所を捜索させられているのは違和感がありますよね。

もし無惨が実力の高い鬼が自分を出し抜いて青い彼岸花を発見し太陽を克服することを恐れていたとするならば上弦の鬼である猗窩座にあえて検討違いの場所を捜索させていたことにも一応の納得がいきますよね。

無惨が自ら青い彼岸花の捜索を行っているのは配下の鬼が青い彼岸花を手に入れることで自分よりも先に太陽を克服する可能性を恐れていたからではないでしょうか。

雑魚鬼が徒党を組むことすら警戒する無惨ですので全くありえない話でもないですよね。

 

2.青い彼岸花が咲く条件

件先ほども解説したように青い彼岸花はとても希少な植物として描かれています。

公式ファンブックでは継国縁壱の妻・うたが埋葬された場所に咲いていたことが明かされています。

ここではなぜうたの埋葬地に青い彼岸花が咲いたのか青い彼岸花が咲く条件とは何なのかを考察していきます。

まず一つ目に考えられるのはうたが亡くなった時の状況が挙げられます。

縁壱の回想ではうたはお腹の子供諸共もろとも鬼に殺されたとされています。

この時うたの亡骸は血に塗れててこそいますが体を喰われたような跡は確認できません。

基本的に作中に登場した鬼は喰らうために人を襲っています。

例外として鬼舞辻無惨は「太陽を克服する鬼」を生み出すために人間を殺していました。

実際第一話で無惨の襲撃にあった竈門面々は喰われていません。

このことからうたを殺害したのは無惨だった可能性が浮上します。

もし無惨の犯行だった場合禰豆子にそうしたようにうたの体内にも無惨の血が注入されたはずです。

うたが横たわっている場面をよく見るとお腹の付近から血を流しているのが分かります。

そうなるとお腹にいた子供にも鬼の血が入ったものと推察できますよね。

回想を見る限りうたの外見は人間のままでしたが縁壱の血を引くお腹の子供がひっそりと鬼になっていたとしても不思議ではありません。

仮にお腹の子供が不死の鬼になっていたとしても胎児には人を喰らう力もないことからそのまま死亡もしくは昏睡状態となりうたとともに埋葬されたのではないでしょうか。

お腹の中にいたため日光を浴びてちりになることもなく鬼のまま埋められたと考えられます。

驚異的な再生能力を持つ鬼の体と身体能力を高める日の呼吸の血統が生み出す無尽蔵の生命力が栄養となり育成の難しい青い彼岸花を咲かせたのではないでしょうか。

加えて日の呼吸の血統は太陽への高い耐性を持つ可能性があります。

作中で体温を克服したのは禰豆子と炭治郎だけでした。

二人は日の呼吸を継承してきた竈門家の人間ですよね。

実際きのこ級を修得していた炭治郎は鬼になった直後に太陽を克服しています。

禰豆子のように直接的に日の呼吸を修得していなくとも代々受け継いできた呼吸の力が体質に何らかの影響を与えていたとしてもおかしくありません。

縁壱の子供には日の呼吸の力が強く受け継がれていそうですよね。

つまりうたの埋葬地に青い彼岸花が咲いたのはうたが原因ではなくお腹の子供に由来するものだったのかも知れません。

彼岸花の鮮やかな赤色は死者の血を吸って染まったものだという迷信も存在しますので鬼の血を吸った彼岸花が青い花を咲かせても不思議ではありませんよね。

以上の点から青い彼岸花の咲く条件として

「日の呼吸の使い手の血統」かつ「無惨の血が流れている体」

から栄養を吸収することが挙げられます。

ただ青い彼岸花そのものは縁壱やうたが生まれるよりもずっと前から存在していますので今回解説した仮説はあくまでうたの埋葬地に青い彼岸花が咲いた理由でありいくつもある開花条件のうちの一つにすぎないと言えるでしょう。

 

3.無惨を鬼にした理由

無惨は寝台車が残した薬の調合を見て青い彼岸花の存在を知りました。

このことから医者は無惨の病気を治療する過程で青い彼岸花を使おうとしていたことが分かりますよね。

しかし結果的に無惨は人を喰らい日の光のもとを歩けない化け物になっています。

命こそ救われたもののこの結果が幸せかと聞かれたら一概にそうとは言えませんよね。

人によってはそこまでして長生きなんてしたくないと感じる人もいるかも知れません。

ではなぜ医者は人を鬼にするような薬を処方したのでしょうか。

ここでは医者の狙いや青い彼岸花の本当の効果について考察していきたいと思います。

結論

青い彼岸花は「人を鬼に変える薬」ではなく「鬼となった人に太陽を克服させる薬」

だったのではないでしょうか。

そう考える理由として医者の狙いが挙げられます。

作中では無惨を鬼に変えた医者を善良な医者と言っていました。

わざわざ善良と付け加えているあたり医者が本心から無惨の命を救おうとしていたことが分かりますよね。

そんな善良な医者が何の狙いもなく太陽の光で消滅し人間を襲わなくては生きていけないような体に変えるものでしょうか。

仮に鬼に変えるより他に無惨を救う手段がを使ったのだとしても

「命を救うにはこういう体質の鬼になるしかない」

と一言説明があってもおかしくはありません。

同じように人を鬼に変えた経験を持つ珠世は命の危機に瀕した愈史郎に対して

「人でなくなることは…つらく苦しい」

と鬼になる危険性を説明した上で処置を施しています。

これが悪意を持った人間ならば事前の説明もなく勝手に鬼に変えてしまうこともあるでしょう。

しかし無惨のために精神誠意尽くしていた善良な医者が一方的に鬼に変えてしまうのは違和感を覚えますよね。

このことから恐らく善良な医者は無惨を鬼にするつもりはなかったのではないでしょうか。

むしろ無惨が鬼になったのは治療の過程で一時的にそうなってしまったに過ぎず本来は生活に支障がない程度まで人間らしい体に戻せる算段があったと考えた方が筋は通るように思います。

そう考えると医者が無惨の体を鬼に変えたのは鬼の驚異的な再生能力を利用して病気を治す目的があったのかも知れません。

病気の完治を確認した後鬼化することで生まれる欠点を打ち消す効果つまり太陽を克服する薬を処方する予定だったのではないでしょうか。

無惨が治療の途中で医者を殺害した段階で既に鬼になっており太陽を克服するために青い彼岸花が試作段階だったということは人を鬼にする薬とは別に青い彼岸花がありそれで太陽を克服させる予定だった可能性はあると思います。

ちなみに無惨を鬼に変えた医者は中国から来た渡来人ではないかという説があります。

これは無惨が生まれた平安時代には彼岸花がなかったことに由来します。

というのも彼岸花は日本ではなく中国を原産とする植物と言われています。

具体的な年代は不明ですが室町時代に書かれた書物に彼岸花に関する記述が確認されていることから恐らく室町時代以降に日本にやってきたのではないでしょうか。

つまり当時まだ一般的ではなかったはずの彼岸花を所持していた点から医者が中国からやってきた渡来人だった可能性は低くないと思います。

医療に限らず当時は中国を始めとする大陸の方が日本よりもずっと先進的な文化を持っていました。

こうした海外の文化を吸収するため日本では渡来人の医者を迎えていたようですね。

作者のワニ先生の短編集・吾峠呼世晴短編集に掲載された処女作「過狩り狩り」にも海外からやってきた鬼として吸血鬼が登場しています。

「過狩り狩り」は鬼滅の刃の前進となる作品で鬼が人間社会に潜んでいたり鬼狩りの剣士が登場したりと世界観がよく似ています。

さらに珠世や愈史郎もほぼ同じ外見設定で登場しており鬼滅の刃に通じる部分の多い作品と言えるでしょう。

これほど共通する部分の多い二作品ですので鬼滅の刃の世界にも海外の鬼がいる可能性は否定できませんよね。

もし無惨を鬼に変えた医者が渡来人だとするならば異国と交流する中で吸血鬼などの海外産の鬼の血を手に入れていた可能性はあると思います。

そう考えると無惨を鬼に変えた薬の正体は吸血鬼などの海外産の鬼の血液だったのかも知れません。

日光が弱点だったり人の血をすすったりといった点も吸血鬼に通じるものがありますよね。

まとめると善良な医者は海外からやってした渡来人であり吸血鬼のような海外産の鬼の血を所持していた可能性があります。

なんとかして無惨の命を救おうと悩んだ末吸血鬼の血を処方することで無惨の体を一時的に鬼にし高い再生能力で病を完治させようと考えたのではないでしょうか。

ここまでが第一段階です。

そして無惨をもとの人間らしい生活に戻すために第二段階として青い彼岸花を使って太陽を克服させ限りなく人間に近い存在に戻そうとしていたのだと思います。

しかし第一段階つまり鬼化させた時点で無惨に殺されてしまったため治療が不完全なまま終わってしまったものと推察できます。

実際作中では無惨は

「完全な不死身となる為
青い彼岸花と太陽を克服できる体質のものを探すことの
2つを最優先としてきた」

と説明されていました。

仮に青い彼岸花が人を鬼にする効果を持つのであればすでに鬼になっている無惨が見つけたところで意味がありませんよね。

無惨が求めていたのは日光という弱点を打ち消す方法ですので青い彼岸花がもたらす効果は鬼化の弱点を軽減させるものつまりは太陽を克服させるものだったのではないでしょうか。

また作中で太陽を克服したのは炭治郎と禰豆子だけでしたよね。

実は二人は過去に青い彼岸花を摂取していた可能性があります。

先ほども解説したように青い彼岸花の咲く場所はうたの亡骸が埋葬された地でありその場所は炭治郎の家からそう遠くなかったと考えられます。

さらに彼岸花は飢饉の際に非常食として食べられていました。

彼岸花の球根に含まれる澱粉でんぷんが貴重な生命の源だったのです。

彼岸花には毒性がありますので日常的に食べることはなかったと思いますが竈門家は兄弟も多く貧しい生活環境でした。

食料が乏しい時期などに幼い弟たちに食べさせるため年長者の炭治郎と禰豆子が彼岸花を食べていたとしてもおかしくはありませんよね。

このことから炭治郎らが太陽を克服できた要因の一つとして青い彼岸花を摂取していたことが考えられます。

また前述した通り青い彼岸花にはいくつか開花条件があると解説しました。

その中でもうたの埋葬地に咲いた青い彼岸花はより効果の高いものだった可能性があります。

先ほども解説したようにうたのお腹には縁壱の子が宿っていました。

縁壱といえば日の呼吸の使い手ですよね。

全集中の呼吸を修得した者は修得していないものと比べて鬼になりにくい体質になるようです。

これは上弦の壱・黒死牟が獪岳を鬼に変える際に告げた

「呼吸が使える者を鬼とする場合
あの方からの血も多く頂戴せねばならぬ」

という台詞からも分かります。

実際、月の呼吸を修得していた黒死牟は鬼になるまでに丸三日かかりました。

こうした点から恐らく全集中の呼吸には鬼の細胞の活性化を抑制する効果があると推察できます。

日の呼吸は最強の呼吸と呼ばれていますので鬼の細胞を抑制する力も強かったと考えるのが自然ではないでしょうか。

炭治郎と禰豆子も「ヒノカミ神楽」として「日の呼吸」を継承してきた竈門家の一員でしたよね。

つまり日の呼吸の剣士の血を受け継いでおりかつ「人を喰らっていない鬼」だった可能性のある縁壱の子供には青い彼岸花の効果を最大限発揮できる可能性があったと予測できます。

その栄養を吸って育った青い彼岸花に通常よりもはるかに強力な力が備わっていたとしても不思議ではありません。

もし無惨がそんな青い彼岸花を摂取していた場合本当に太陽を克服してしまっていたかも知れませんね。

本作最大の謎と言っても過言ではない青い彼岸花と薬を調合した善良な医者無惨という鬼を生み出したり鬼が増える直接的な原因の一つになったりと見方によっては全ての元凶とも受け取れるかも知れません。

しかしこうしてまとめてみると青い彼岸花自体に意志はなくその使用者である医者も目の前の患者を救うためにあらゆる手を尽くそうと必死だっただけに思えてきますよね。

どちらかといえば治療の途中で一方的に癇癪かんしゃくを起こした無惨が愚かだっただけではないでしょうか。

無惨に殺された医者が可哀想!

悪い医者ではないと思った!

人はまた次の記事でお会いしましょう。

今回は以上です。

 

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