こんにちはエンタメ考察室です。
無限列車編で魘夢の血鬼術により炭治郎たちは強制的に眠らされ夢の中に閉じ込められてしまいました。
魘夢は幸せな夢を与えることで夢から脱出しにくい状況を作り間接的に全員を葬る予定だったのです。
その思惑通り炭治郎・伊之助・善逸は幸せな夢を見させられるのですが煉獄さんだけは幸せとは言えないような夢でしたよね。
今回は魘夢の血鬼術による夢の内容を元に炭治郎たちの心情を解説したいと思います。
また煉獄さんだけが幸せな夢を見れなかった理由についても考察しているのでぜひ最後までお楽しみください。
※当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
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1.魘夢の血鬼術
鬼舞辻無惨は下弦の伍である累が殺されたことに苛立ち下弦の鬼全員を招集した俗に言うパワハラ会議にて次々と下弦の鬼を殺していきました。
その他の下弦の鬼が絶望し殺される中で唯一その光景を楽しみ自らの死も心待ちにしていた正真正銘の痛みを負わせることから喜びを得ると言える鬼が下弦の壱である魘夢です。
魘夢は無惨に気に入られ追加の血を分け与えられ鬼狩りの柱を殺すこと炭治郎を殺すことを命じられます。
魘夢の血鬼術は睡眠に関する能力でその血鬼術の発動条件は3つあります。
・自らが無数の瞳を持った肉の塊のような化け物に姿を変えその瞳と目が合うことによる催眠
・自分の血を使って血鬼術の発動媒体を作り目の前にいない相手を催眠にかける
です。
無限列車では自分の微量の血を染みこませた切符を血鬼術の発動媒体とし人間である車掌に切符を切らせて炭治郎たちを眠らせることに成功しました。
炭治郎は怪しい匂いを嗅ぎ取ったもののその瞬間に血鬼術が発動してしまったのです。
魘夢の見せる夢はその内容まで操れるためいい夢を見せたり悪夢を見せるのも自由自在です。
そのため睡眠中の無抵抗な人間は簡単に食べられるのだろうと想像できますよね。
魘夢の見せる夢は夢を見ている本人を中心とした円形の世界です。
夢円の外側には無意識領域が存在しその中には精神の角があります。
精神の角を破壊すればその夢の主を廃人にすることも可能なのです。
柱や鬼殺隊士のような優れた剣士は睡眠中であっても鬼の気配に気づく恐れがあったため今回魘夢は人間を雇い精神の角の破壊を依頼しました。
魘夢はその計画を成功させるために戻りたくなくなるような幸せな夢の世界に炭治郎たちを閉じ込めれます。
ここからは魘夢によって強制的に見せられた夢の中で炭治郎たちがどのような夢を見たのかを振り返りたいと思います。
2.伊之助が見た夢
まずは伊之助の夢ですが伊之助は炭治郎善逸禰豆子の3人を子分として洞窟探検隊をしています。
伊之助自身はいつもと同じ姿ですが炭治郎はたぬき、善逸はねずみ、禰豆子はうさぎのような姿になっており服装も質素なものに変えられていました。
夢の中で伊之助は親分と呼ばれておりご褒美にはツヤツヤのドングリを子分にあげているようです。
作中でも伊之助が禰豆子が神崎アオイにドングリを上げている描写があるので伊之助にとってツヤツヤのドングリは宝物のような位置づけだと考えられますね。
子供のような夢ですが伊之助の
リーダーになりたい
という気持ちが表れている夢だと言えるでしょう。
また伊之助の無意識領域は細い洞窟のような場所でいつもよりもケモノ感が強くなった伊之助が這いずり回っています。
通常の人間の無意識領域には誰もいないはずなのですが異常に我が強い人は例外なのです。
3.善逸が見た夢
次は善逸の夢です。
善逸は夢で禰豆子の手を取り走っている光景を夢に見ています。
そのデートプランは美味しい桃を食べて白詰草で冠を作るというとても情緒的なものです。
よく見ると2人の背景には青空が描かれておりデートが日中に行われていることつまり禰豆子が人間に戻っていることが分かります。
禰豆子が好きでデートがしたいという欲求だけでなく禰豆子に人間に戻ってほしいという切実な願いも込められた夢だとも言えるでしょう。
たくさんある桃の中でも特に美味しい桃を禰豆子に食べさせたがる様子や白詰草の冠を贈りたいという善逸の言葉は禰豆子への思いが込められていますよね。
そして伊之助と同じように善逸の無意識領域にも本人が存在しました。
その無意識領域は漆黒で足元も確認できないほどの闇の世界なのですが巨大な刈り込みばさみ持った善逸がうろつき
殺すぞ」
と侵入者を追い回していましたね。
4.炭治郎が見た夢
炭治郎はもし家族が無惨に殺されていなかったらという現実的な夢を見ます。
炭を売りに町に行った炭治郎が帰宅すると弟妹母が暖かく炭治郎を迎えるのです。
ここで夢になぜ病死した父・炭十郎が出て来なかったかが気になりますよね。
炭十郎はその他の家族と違い死因が病であるため炭治郎はその死は後悔しておらず自分の中で受け入れられているからだと考えられます。
つまり炭治郎の夢は炭治郎が一番悔やんでいることどんなに望んでもかなわないことが形になった夢だと言えるでしょう。
炭治郎は家族が無惨に殺された時自分だけが安全な場所にいてしまったいうことをずっと悔やんでいるのだと考えられます。
そして炭治郎は夢の中で何か悪い夢でも見てたみたいだと禰豆子以外の家族全員が殺されるという惨劇の方が夢だったと思い始めます。
しかし炭治郎は夢の中の家族と幸せな日常を過ごすうちに違和感を感じ始めます。
夢の中で突然いつも禰豆子の入っている箱が見えたり禰豆子が日中外に出て大丈夫なのか心配になったりするのです。
幸せな世界のほうが居心地がよいに決まっていますが炭治郎の深層心理にある現実が見え隠れしていたのでしょう。
やがて自分自身の力で夢が現実ではないことに気が付きますがなかなか目覚めることができません。
そんな時夢の中に現れた亡き父からの
刃を持て
切るべきものはもう在る」
というヒントをもとに自害が夢からの脱出方法であると分かり自力で夢から脱出することに成功しました。
ちなみに炭治郎の無意識領域は澄み切った青空心が洗われるような空間で光る小人がいました。
映画版ではその小人の人数は6人です。
そして光るに顔や表情はありませんが炭治郎が失った家族も病死した父・無惨に殺された母・妹1人と弟3人を数えると合計6人になります。
そのため光るは命を落とした炭治郎の家族を表現しているとも考えられます。
炭治郎の心には常に家族がおり家族に見守られていると思うから炭治郎はいつも頑張れるのかもしれませんね。
5.煉獄さんが見た夢
最後は煉獄さんが見た夢です。
煉獄さんは他の3人とは全く違った夢を見ておりその夢は2つあります。
一つ目は無限列車にいた鬼を煉獄さんがすぐに見つけて退治し炭治郎たちに
見事な剣術だ!!
おいらを弟子にしてくだせぇ!!」
と頼まれ快諾する場面ですがこの場面は読者によって夢か現実か意見が割れているようです。
突然鬼との戦闘場面が始まるので現実なのか誰の夢なのか断言しにくいというのがその理由でしょう。
しかしこの場面が現実だとすると鬼が出た後だというのに次の場面で静かな車内が描かれていることが不自然です。
また炭治郎・伊之助・善逸の異様に高い興奮度や話し方に違和感を感じるため唯一いつも通りの話し方行動をとっている煉獄さんの夢だと考えてよいでしょう。
面倒見がよく後輩を育てたいという気持ちの強い煉獄さんらしい夢ですね。
煉獄さんの2つ目の夢は過去の思い出です。
炎柱になったことを父に報告し
くだらんどうせ大したものにはなれないんだ
お前も俺も」
と酷い言葉を言われたことを夢に見たのです。
元・炎柱でありながら酒浸りになってしまった父ですが自分が炎柱になれば変わってくれるのではないかという希望を持っていた煉獄さんにとってこの思い出はつらく悲しいものだったでしょう。
その後は
と自分の心の内を弟に話していました。
魘夢の言葉からせっかく良い夢を見せてやっていたとあるように魘夢は全員に良い夢を見せる予定だったと考えられますがなぜ煉獄さんの夢は良い夢だけでなくつらい現実が混ざっていたのでしょうか。
その理由を考察してみたいと思います。
煉獄さんにとっては父から弟とともに剣術を習いそれを見守る母がいるような光景が幸せな夢だったのではないかと想像できます。
そのような幸せな夢を見なかった理由は煉獄さんが過去を振り返らず常に前を見続けていたからではないでしょうか。
煉獄さんはどんな環境の中でも母との約束である弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です。
という言葉を胸に強靭な精神力で心を燃やし続けてきました。
その責務を果たすためには常に前を向き精進しなくてはいけません。
過去や今を悔やんだり嘆く時間はないため幸せな夢を見られなかったのではないでしょうか。
もちろん炭治郎も禰豆子を人間に戻すために必死に前を向き頑張っています。
それでも炭治郎が過去の幸せな頃を夢に見るのは炭治郎には悔いがあるためだと考えられます。
炭治郎は家族が無惨に殺された時自分だけが安全な場所にいてしまったことをずっと悔やんでいるのです。
それに比べて煉獄さんの母は病死であり炭治郎の夢に父・炭十郎が出てこないのと同じ理由で悔む要素がありません。
煉獄さんは猗猗窩座窩座から鬼に誘われた時に
死ぬことも
人間という儚い生き物の美しさだ」
と伝えています。
人間は自然の摂理でなくなるものであり煉獄さんは母が死ぬ前に戻りたいという気持ちを持っていないのではないでしょうか。
また違う視点から考えると煉獄さんがいた夢は幸せなものだったと考えることもできます。
「公式ファンブック」に掲載されている煉獄零話にて父が自分たちに冷たくなった理由を死なせたくないからではないかと考える場面があります。
息子を失いたくないという父の考えを煉獄さんは理解していたと考えると前述した父に罵倒される場面は煉獄さんにとって幸せな夢だったと考えることもできますよね。
また煉獄さんの無意識領域は燃えるような暑さでタイルのような地面の隙間から炎が吹き出していました。
夢の世界での消えない炎には内なる情熱神の願望を制御できていないという暗示があります。
煉獄さんは多くの後輩から慕われ誰にも弱音を吐くことなく隊士の見本のような性格をしていますが実際にはまだ20歳です。
自分の未熟な部分を隠しその本心が無意識領域で炎として燃え続けているのかもしれませんね。
いかがでしょうか無限列車の戦いの地に命を落とすことになった煉獄さんは最後にはその責務を全うしたことを母に褒められ笑顔でなくなりました。
どこまでも母の言葉に忠実に生き心を燃やし続けた煉獄さんは報われたのです。
そしてその生きざまや精神は若い世代である炭治郎・伊之助・善逸に引き継がれましたね。
まとめ
善逸・伊之助の無意識領域が面白すぎた!
煉獄さんが見た夢は煉獄さんにとって幸せな夢だった!
と思った人は次の記事でお会いしましょう。
今後も鬼滅の刃の素晴らしさを伝えるべく記事を紹介します。
今回は以上です。
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